砂場

できあがった砂山を踏み崩す

子どもは蝶々を目で追いながら

次の砂山を作りはじめる


砂場を蹴り回して滅茶苦茶にする

子どもは両手を大きく広げ

撒き散らされた砂の模様に

花と魚の鱗を見つける


私は砂山の形を直す

散らばる砂をすべて戻して

立って砂場の中央に待つ


まもなく

裸足の子どもたちがやってきて

私の体をすり抜けて

向こうの噴水へ駆けていく


私は静かに靴を脱ぎさり

二つの砂のジョウロに変えて

手首に砂を被せつづける

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