2-7-6 収納魔法
闇魔法を手に入れられる目処が立たないにで、ギルドのお姉さんが言うように力技で進むことに決めた。
そうなると必要なのが武器である。スライムが相手となると、日頃、私が使っている短剣では攻撃に必要な間合が短過ぎる。できればあまり近づきたくない。
仕方がないので、屋敷の武器庫から適当な武器を見繕った。
私は槍、リココには弓を持たせた。そして、シリーは攻撃できないとのことなので、それならばと大楯を装備させた。
シリーには「こんな重いもの持って歩けません」と、不評だった。
その後、武器の扱いに慣れるため、二週間ほど訓練を行い迷宮行きに備えた。後ろから、弓で射抜かれては、たまったものではない。
そしていよいよ、迷宮へ挑戦である。
リココに必要なものを収納させていく。
ラスボス攻略用の塩、MPポーションをはじめとする薬品類、矢と予備の武器、食料と水、特に水は攻撃にも使うので余計に持った。
夜は転移で屋敷に戻るつもりなので、夜営の準備はしていない。
「リココ、収納容量のほうは大丈夫」
「はい、エリーザお嬢様、なぜか、まだまだ余裕がありそうです」
以前、塩二樽でいっぱいだと言っていたので、これだけ入るのが不思議なようだ。
「私の支援魔法が効いてますから、いくらでも入りますよ」
シリーが自慢げに言う。
「支援魔法が切れちゃったらどうなるんですか」
リココが心配そうに聞いてくる。
「普通、切れることはないのですけれど、仮に切れても平気です」
「どういうことですか」
「普通の収納魔法は、MPによって収納量が変わり、維持にもMPが必要なのですが、私が、授けたのは、次元庫なので、収納量は無制限ですし、中は時間が止まっています。出し入れにMPが必要ですが、維持にはMPが必要なんです。だから、支援魔法が切れても、取り出せなくなるだけなんです」
「収納量は無制限で、中は時間が止まっている。そんな収納魔法聞いたことがありません。凄いです。シリーさん」
リココが大喜びである。
流石は女神の支援魔法といったところか。ん、授けた?
『鑑定』
リココに鑑定魔法を掛ける。
リココに女神の加護がついていた。
「加護じゃないか」
「加護付与という支援魔法です。テヘペロ」
「かご、カゴ、籠?んーん、カーゴ、貨物車のこと?」
シリーが悪びれもせず舌を出す。
リココは分かっていないようだ。とんでもない方向に勘違いしているが、説明が面倒だし放っておこう。
それでは、迷宮に出発。といきたいところなのだが、一つ気になることがある。
「シリー、なぜこれから迷宮にもぐるのに、お前だけメイド服なの」
「お嬢様、メイド服はメイドの戦闘服です。これ、常識ですよ」
「リココ、そうなの」
「え、どうでしょう。そう言い切られると、そんな気もしてきますが。私も、メイド服に着替えた方がいいですかね」
「いや、リココはそのままでいいわ。シリーは・・・。本人が、それが、いいならそれでいいか」
「メイドとして当然です」
それでは、改めて、迷宮に出発。
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