春奈執筆断念により、11話から13話のお焚き上げその1 11話
〈やっほー茂一さん、怪我の具合はどう?〉
〈おかげさまで後遺症もなにもないぜ、魔人のときはありがとな!〉
〈いえいえ。それでそちらの募集に乗ったけど、なかがわ水遊園のど真ん中にできたダンジョン攻略でいいんだね?分配は資源物売却もしくはチーム内オークションで全部お金に変えて、報酬も合わせてそれを折半で。〉
〈おう、それでOKだ・このダンジョンのせいでなかがわ水遊園は今操業停止だ。世界中の淡水魚が集まってるユニークな水族館なんだけどな〉
〈あらら、ダンジョンってどうやって壊すんでしたっけ〉
〈ボスを始末し、ボス部屋を粉々に破壊してしまえば機能が停止する。そうすりゃただの筒もしくは穴だ。ボス階とボス部屋は大きさが必ず同じだから破壊用の爆弾があるんだが、それを俺が持っていくよ。護衛は頼んだぜ〉
ほいほい。PINEアプリを落とし愛ちゃんに報告。明日からは栃木都 宇都宮 那珂川地区 (とちぎと うつのみや なかがわちく)に遠征だー。
さくら市や那珂川町は30年ほど前に合併統合してなくなりました。特別政令地区宇都宮と、政府首都区で分け合いっ子。こんな中、商業都芳賀(はが)だけは独立を守ってるんだよね。本当金回りが良い地域である。
どうでもいいや、準備して寝る。ぐー。
やぁーってぇーきましーたー那珂川地区ー♪
水遊園の近くのホテルを取って、期限切れの道具、回復薬やエナジードリンクなど、そういうのを買い替えて現地へ。おー『時を超えし絆』のみなさんいらっしゃってますね。
「どうもーこんにちは。皆さんお久しぶりです!」
「こんにちは~♪」
「よー春奈さん、お久しぶり。愛さんも変わらぬようで」
「ええ、茂一さんは元気になられたようですね!」
「まあな、魔人のおかげで傷を負ったが、魔人のおかげで癒せたぜ」
「その魔人の武器で今私は戦ってるんですけどね、あはは」
「らしいな。まあ本題といくか。ここは水ダンジョンまでは伝わってるよな?」
「はい、水のモンスターが出てくるとか。沿岸部でもないのに珍しいですよね」
「ま、水遊園だからな。水系といってもシャチはまだ確認していない。3回までの調査だが。イサキ、イナダにゲンゴロウがでたな。虫だめだと思ったからゲンゴロウ階は駆逐しておいたぜ」
「た、助かります」
「無理!」
「へへへ、一夏もだめだったからな。じゃあそろそろゲートくぐるか。上に登りながら連携は整えていくぞ。3トップか2トップかはそれで決めよう。今日は達一の刀が復活しているから期待しておいてくれよ」
はーい。そっか刀使いさんだったのか。技量がいるから、駆除人さんでも実はあまり使わないですよね。剣なら比較的難度の低い西洋剣のほうが多いです。一番多いのは槍。
刀、楽しみですね。
時を超えし絆さんは4人PTで、名前は
です。
1階に入ってすぐイサキ型モンスターが出てきました。魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着て、捻りハチマキをしている、魚に腕と足が生えた魚人間。今回はイサキだそうです。
槍?トライデント?銛?まあ柄の長い穂先が鋭い得物を持っています。
それを達さんが!
「はぁっ!」
イサキを横に真っ二つ!
達さん、ジッサイスゴイ
「すごいね達さん」
「僕もウズウズしてきたな」
中部屋3つ系の階層だったのですが、次の部屋は愛ちゃんの部屋。
イサキが大漁にっ!!斬り殺されていく!イサキぃぃ!!愛ちゃんかっこいいいいぃぃぃい!!
「1階からこんなに興奮してどうするんでしょう、私」
「ネタがネタだからな」
2階は迷路系で、階段までの地図があるので駆け抜け。イナダ計2足歩行モンスターがいたので斬り刻んだり内部爆破しておきました。生臭い。
3階、1文字通路で、途中小部屋が6つありました。駆逐されていたので素通り。これ駆逐されてなければゲンゴロウ6回出会う計算ですか、無理。
4階、サメ。しかし水がないのでうおっうおっ!してます。このダンジョン設計失敗してない?小部屋2中部屋2のノーマルスタイルだったので駆逐しておきました。ここで一泊。
「今の所設計ミスみたいなレベルで大丈夫ですね」
「まあな。こういうやつほど上階が怖いっていうもんだぜ」
「僕もそう思うね。エネルギーが上に集まっているんだよ」
「気を引き締めていかないといけないのは同じってことですねっ」
5階、サメマン。手足が付きました。垂直に立ったらその最強武器である口をこちらに向けるの無理じゃない?というか見られなくない?こっち。
膝下まで水がある階だったので、泳がれるとやばいかもしれない、必ず1撃必殺を、ということに。私はバックアップだけだったな。愛ちゃんの唐竹割りは地面とキスができそうです。力抜いてるんだろうなああれでも。
サメって柔らかいしね。栃木ではよくモウカザメやモロというなでサメが食べられています。
無駄なことして無駄な混乱を招きたくないので階段を見つけて直行。
6階、川が流れてました。川の先には階段、橋がかかってる。わかんないけど、那珂橋かな。そしてその周辺。
ここの階の陽気はおそらく7月前後。どことはわからないけどとてもいい日差しが私達を照らし、少し湿ってるけどまあ悪くない風が流れています。
「鮎、鮎です。ここは那珂川。そして那珂川といえば鮎。鮎階ですここ」
釣れる。鮎、釣れる。
「鮎釣りしましょうー!!!!」
「竿がねえしおとり鮎も持ってねーぞ!?」
「僕素手で掴んでくる!」
言うが早いか、愛ちゃんは剣を河原において川に入っていきました。チェインメイルも脱いでー!溺れるー!
攻略を忘れてみんなで川遊びしてしまいました。
ちなみに愛ちゃんは4匹ほど素手でつかみ取りしてました。熊ですか。
「よーし、じゃあ外では違法のバクダンをしまーす!皆さん下流にて準備して下さーい!」
みんなを橋より下流に移動させて、上流でフルサイズフルパワーの
ちょっとヘロヘロになりましたが、大量の鮎をゲット。この日は8階まで進まずにここで一泊することになりました。
「塩持ってきておくもんですねえ、6階の那珂川鮎なんですんごく美味しいですね、川臭さがない」
「10階より上の中層攻略とかになると、途中の食料階で豚や鳥を塩漬けにして次に進むのがセオリーだからな。持ってきてあったんだ。大体食料か水の階どちらかはあるからな」
「おいしー♪ それで、発見したら一度戻って、発見した内容に沿って、また装備を積み直して進むんだよね」
「…… 愛ちゃんがまともなこと喋ってる。鮎効果恐るべし。しかしうまいなーむっしゃむっしゃ」
「春奈ちゃん、また太っちゃうよ」
「そもそも太ってません!165の57kgです!筋肉を勘案してよね!?」
「私いくつだったかしら…… 太一は160kg超ありますよ。シールダーだからですけど」
「ごっつぁんです!」
「役割のために太るとか半端ないですね」
「鮎おいしー♪」
さて楽しい一夜を明かして、気力も回復したので登っていきましょう。
7階、前傾姿勢を取れるようになったサメマン。これで一気に驚異になりましたね、見えるし噛み付けるし得物で攻撃できる。
茂さんの剛槍、太さんの鉄壁のシールド&ソード、達さんの刀。これは正直すごいバランスです。
サメが突っ込んできても、トライアングルの頂点に立つ太さんが完璧に押さえ込み、そこを茂さんの槍で突く、達さん思い切り踏み込んで斬る。サメは死ぬ。
守りが前に出ているので、私達のバックアップとは逆の配置ですね。突撃もあの体格の太さんが突っ込むのだから威力ありそう。
そんな感じで7階は終わり。小部屋2中部屋2、通路は少々入り組んでました。
8階!サメが消えて井崎さんが出てきました。魚河岸で働いてる感じの姿をしている、狂気に囚われた人のモンスターで帽子と前掛け部分に「井崎」って書いてあるから井崎。講習所で習いましたが、本当に出るんだね。
ちなみに柳刃包丁を振り回す超危険なモンスター。今回は1匹だけ出現したので私は裏取りに。愛ちゃんが相対します。
裏を取れるようにジリジリと横周り、横周り。
うあ!急にこっちに攻撃仕掛けてきた!これ目は白目、よだれ垂れ流してるし聞いた話より怖い!
「いさきぃい!!いさきはとれたのおおおおおお!!」
井崎さんの乱れ打ち!!
「知らないよ……」
バックラーで防げる気がしなかったのでバリア!!バリアで防いでるのに攻撃やめない!!怖い!!マジ!産地直送!
ただ後ろ丸見えなので、愛ちゃんの袈裟斬りぃ!!一発で斜めに切り落とされた!人の背骨を斬り抜けますか……太いのに。
人を殺した罪悪感が出てくるこれゲロゲロゲロゲロゲロ。死体はどこをどう見ても人だし。ゲロゲロゲロ。
「愛ちゃん、帰りたい」
「修行」
「い、いつもなら私の意見に賛同してくれるのに…… 」
「ここはチームで順繰りにやっていこう。だれだってこの光景を見たらきつくなる。愛さんは別っぽいが。早く抜けたいな」
この後3回、計各チーム2回井崎を殺してここを抜けました。9階は鈴木か?
9階、群れるサメマン
水がないので大きな被害はありませんでした。ただ数が多いのでみんなに疲労が。私は隙きを突かれて、かなり噛みつかれてしまいました。鮫の歯は鋭くて、防具にかなり損傷が、まずいな
10階、群れるイサキ型モンスターと指揮する井崎。
とにかく井崎の叫びと死体で私は戦闘要員にならず、ずっとゲロ吐いてました。ごめんよみんな……
もう、身も心もボロボロです。
若月春奈、鮎はとても美味しかったです。
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