131話 第二の編入試験

「……じゃあどうしようかな?」


 俺は帰ってきた後、自室で方法を一人練っていた。

 ギルバートも無理、ならもう身分を魔力が使える平民って事にしといて編入生にするのはどうか?

 こういう時に推薦っていう制度があるんだったら文句無しに推せるのに!

 ……そう言えば編入ってどうすれば出来るんだったっけ?


「編入ですか?……すいません。私も詳しいことはよくわからないんです。それと理事長が一度合わせてほしいと言っていました。


 女王様に聞いたけど、まともな成果は得られなかった。

 これは直談判しか無さそうだな。理事長も読んでる様だし行くか。


「ん?トオル君なのかい?」


 理事長室にいた理事長は変身していた。


「チッ!」


「何でそこで舌打ちするのかな!?」


「いや、別に。それで何の用だ?」


「もう二人の勇者さんたちのことだよ」


「……許可はいいのか?」


「別にここは実力主義だから魔法関連でも強ければいいでしょ?オジル君も特に不評は無いし。もし喧嘩を売ってきたのなら私と陛下が買うって言ってたし」


「太っ腹だな」


「女性に対してその発言は酷いと思うな!」


「じゃあ試験の日程だが、明日でもいいか?」


「いいけど……どこでやるの?」


「それは明日になってのお楽しみだ。じゃあ俺は帰る!」


 そして俺は城へ戻り、二人に明日、試験があることを伝えて明日に備えて寝るのだった。


 翌日。


「はい。これから編入試験を始めます」


 俺と奏音と天谷は訓練場に集まっていた。


「本日の講師はカネヤマ トオルさんです。どうぞ~」


 あまり抑揚のない声で俺を呼んだ理事長。

 ……元気ないんだな。


「えー、じゃあ俺と戦うところを見てもらって理事長に判断してもらいます。別に勝てなくてもいいから」


 正直、この学園で俺に勝てる者などいない!

 学園全生徒&講師陣vs俺でも勝てる気しかしないがね!


「じゃあまずは私から行くよ!」


「おう、来い。……といきたいところだが、場所を移すぞ。俺たちがやりあったら流石にこの訓練場が保たないからな」


「あ、そうだね」


 お互いに理解したところで、俺は三人を連れて自分が作った空間へと転移する。


「ここは……?」


「俺が決闘用に作った空間だ。じゃあやるか」


「そうだね!」


 こうして久々の兄妹対決が始まった。

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