第244話


お風呂上がりの女性陣に、冷やしたコーヒー牛乳ことコーヒーミルクを出してやり、海渡とドロスさんが、風呂に入る。


体と頭を洗って、湯船に浸かると、

「うぉーーー!これは凄い!!!」

と大喜びするドロスさん。


「そう言えば、コーデリア王国の庶民って風呂はどうしているんですか?」

と海渡が聞くと、


「そうだね、大抵はクリーンを掛けたり、体を拭いたり、夏なら行水したりかな。風呂は贅沢品って感じだからね。」

との事。


ふむ・・・なるほどな。

じゃあ、倉庫をラピスの湯にすると、結構人が来るかも知れないなぁ。


「ついでに幾つかお聞きしても良いですかね? この国の孤児ってどういう風になってます? ワンスロットでは教会とかの孤児院とかで保護されたりしてるんですが。

ちなみに、この国にも教会ってあるんですか?」

と聞いてみた。


すると、

「ああ、孤児はね、大体コミュニティとか近所で面倒を見たりするのが多いかな。ほら、エルフってあまり子沢山じゃないし、寿命も長いでしょ?

だから成人するまでぐらいまで、面倒を見たって人生の中では微々たる時間って感覚なんだよね。それに子供自体が少ないからね。だから地域全体でちゃんと大事にする傾向なんだよ。

教会はあるけど、エルフ自体は精霊様を大事にしているから、熱心な信者は少ないね。 まあ決して女神様を疎かにしてる訳ではないんだけどね。

ドワーフも孤児は同じ感覚で面倒見てるね。彼らも寿命長いし、教会も同じ感じだね。人口増加も寿命も長いから、人族に比べると、経済も停滞し易いんだよね。」

との事だった。


「なるほど、じゃあコーデリア王国では、スラムに落ちる様な子供は居ないのですね? 少し安心しました。しかしせっかく寿命長いんだから、もっと何人か子供作れば良いのに。

国力を維持するには、ある程度人口増加無いと、逆に先細りになって国が滅びますよ?」

と海渡が言うと、


「おお、カイト君は凄いね。うちの学者と同じ事を言ってるよ!! 君本当に5歳? ああ、6歳になったんだったねw」

とドロスさんが笑っていた。


「と言う事は、仕事を探すような人も少ないって事かな? 店舗とかの売り物が無いって話もあったし。1つの職に就くと、みんな長そうですよね。」

と海渡が聞くと、


「そうなんだよね。まあ、人生が長いから、旅をしたりする連中は結構居るけど、1つの職に就くと、長い期間働く事が多いね。そう言う意味では、特に職人には熟練が多くなると言うメリットはあるんだけどね。

ちなみに、そう言う質問をするって事は、こっちでも店か何かをやるつもりがあるって事かな?」

と鋭い洞察が入る。


「ええ、まだ未定ではあるんですが、この温泉を使って大衆浴場と、カフェぐらいなら、出来ないかなぁ?と考えました。」

と言うと、ドロスさんがガッツリ食いついて来た。


「え?この温泉、ここでヤルの!? マジ!? わぁ・・・是非やって貰いたいなぁ。何人ぐらい従業員居ればOKなの?」

とドロスさん。


「そうですね・・・。うちは、大体8時間勤務なので、朝から開けるなら2交代制で16人、午後から開けるなら、8人かな。カフェは店員が10名かな。」

と言うと、


「つまり、朝から2交代で夜まで営業だと26名居れば、温泉とカフェが出来るのか・・・。ふむ・・・。26名か・・・。」

と考え込んでいた。


「まあ、最悪ワンスロットから従業員を連れて来るって手もあるんですが、出来れば現地の方を雇った方が、お互いの国に貢献するじゃないですか。

だから、ワンスロットから一般従業員を派遣はあまり考えてません。」

と海渡が補足した。


「なるほど、色々考えてくれているんだね。ありがとう。」

とドロスさん。


「まあ、どっちにしても、当面は例の件があるので、まだまだ先の話ですね。まずはあっちをやっつけて、航空事業を本稼働させないとね。」

と海渡が自分に気合いを入れて言う。


風呂から上がると、女性陣のコーヒーミルクお替わり要請と、スイーツ出せ出せ攻撃が待ち受けていた。


「え?フェリンシアも持ってるんじゃないの?」

と聞くと、


「そんなのとうの昔に既に食べちゃいました!」

と胸を張っていってました。


マジかよ。結構アイテムボックスに入れてたのを見たんだけどなぁwww


コーヒーミルクを人数分出して、スイーツ各種を取り出した。

風呂上がりと言う事で、海渡はアイスをチョイス。


ドロスさんとサチーさんは、トリスター本店オープン時に少しは食べているのでスイーツとは何かを知っているが、全くスイーツ初体験のステファニーさんが、ここで覚醒。


一口プリンを食べて、絶叫した。

「うっまーーーー!!!!」


「えっと、ステファニーさん。プリンは飲み物じゃないので、もっと味わって食べてよ!」


「いやいや、全然飲めるでwww」

とステファニーさん。


止まらないステファニーさんの次のターゲットはホットケーキらしい。


「これは、どないして食べるん?」

と聞くので、フォークとナイフを出してあげて、メイプルシロップを掛けてあげると、早速切って一口。


「っ!!!」

と声にならない声を上げ、プルプルしている。

・・・可愛いww


そして、2枚重ねのホットケーキを僅か2分でペロッと完食。


「いやぁ~、うち良い人の所に永久就職したわぁ~♪」

とステファニーさん。


「え?? 永久って・・・ しかも食べ物基準・・・」

と引き気味の海渡。


苦笑するサチーさんとドロスさん。



時刻は午後9時過ぎ、ドロスさんとサチーさんが、夜も更けたからと帰って行った・・・ステファニーさんを置いて。


と言う事で、ゲストルームにステファニーさんのベッドと布団と枕を用意してあげたのだった。



部屋に戻った海渡は、少しだけ・・・とトリスターの地下工房に戻り、完成していたドローン4560機を回収し、を地形データ収集モードで飛ばす事とした。


この地形データ収集モードでは、絶界の森の定点監視モード違い、一定間隔で自立飛行しながら周囲の地形データをサーバへと送り続ける。


既にデータが存在する地域は被らない様に、相互で最適ルートを飛行して収集するモードとなっている。


ゲートを繋いで、トリスターから560機、王都から1000機、コーデリア王国王都から1000機、ゲルハルト帝国(発見した集落近辺)から1000機、絶界の森の最西地点(今まで行った事のある場所)からサルド共和国側へ1000機飛ばした。


そして、この地形データ収集が完了したら、全世界の地図データでナビを作る事が出来るのだ。


一応、人口密集地等も計測出来るので、集落や都市なども判別出来る予定である。


「全世界のデータは、どれくらいで収集出来るのか判らないけど、楽しみだなw この大陸以外にもきっと大陸あるだろうし。」

とほくそ笑む海渡であった。


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一部転記ミスを修正しました。

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