第205話


異世界2ヵ月と5日目。


日の出前に目覚め、朝の鍛錬を済ませて、トリスターの第一地下工房へと向かうと、何か棟梁達の仕事の速さに磨きが掛かっていて、既に託児所の建物も温泉も完了していた。


これらを収納し、新しい建物を作成する。

店舗セットも完了しており、これも収納する。


「すげーな、棟梁達の速度上がってるよなww」

と喜びつつ、更に新しい店舗セットを作成。


第二地下工房を除くと、こっちも残り10%ぐらいになっていた。

ちょっと危機感を覚えつつ、今夜新しい王都の宿舎を作ろうと心に決め、エリンガの宿舎へと戻る。



王都版のデカイ温泉を旧屋敷側の右側隅に配置し、地下の洞窟風呂を作成する。

この時間でも起きてるかな? と思いつつラピスを呼び出す。


「今度はここなのね?」

慣れた調子で温泉を出してくれて、排水の処理もセットでやってくれた。


先日女性陣に好評だった、イチゴジャムを出すと、

「何これーーー!美味しいーー」

と体中をベタベタ真っ赤っかにしながら興奮していた。


「これ、イチゴで作ったジャムって言うんだよ。ホットケーキとかパンとかに塗って食べても美味しいだよ?」

と言うと、


「じゃあ、ホットケーキだして!!」

と要求され、ホットケーキをだして、塗ってみる。ついでに、生クリームも上に掛けて上げると、


「ああ、これも美味しいじゃない!!」

と生クリームから顔だけ出して、仰ってました。


食べるだけ食べたら、

「また呼びなさいよね!!」

と言い残し、消えたwww


温泉までの玉砂利と飛び石の通路を作成する。

塀代わりの2mぐらいの木を並べ、間接照明を設置して雰囲気をアップする。

若干通路が長いので、途中に少し日よけになる屋根付きのベンチも設置してみる。元の世界の公園とかにあるような感じの奴ね。

メインストリートに面した通路の入り口に、門柱と木の扉を付け、看板を取り付ける。

これで、ラピスの湯 完成!!!


託児所を配置して一応のセットは完了。

しかし、既に殆ど従業員宿舎が埋まっているので、もう1つ従業員宿舎を設置した。

これで、何かあっても大丈夫の筈。


午前7時になったので、食堂を覗くと、フェリンシアが居た。

今朝から、朝食はこちらの調理スタッフが作ってくれる事になっている。

ヨーコさんや他のみんなも起きて来た。


みんなで朝食を取りながら、温泉と託児所を設置した事、従業員宿舎を念のため、もう1つ追加した事を報告し、それぞれの鍵を渡す。

他と同じ様に、温泉は開店するまでは、自由に入って良い事と、開店後は、営業時間外か、定休日に入って良いと伝えると、みんな大喜びw


どうやら、トリスター組から温泉の素晴らしさを力説されたらしく、楽しみにしていたらしい。主に女性陣がwww


「じゃあ、そんなに楽しみにしてたんなら、朝風呂入っちゃえば? 一応研修って名目でw」

と言うと、


「良いんですか!?」

とみなさんが心配するので、

「だって、温泉がどういう物か、理解しないとね。商品だって商品説明暗記するでしょ?同じだよw」

と言うと、ワクワクしながら、ダッシュで食べ終わって、温泉に全員入りに行った・・・。ヨーコさんも。


オスカーさんとの約束の時間になりそうなので、東門から出て、トリスターの格納庫からオスカーさんをピックアップして戻って来る。


そして、

「今、みんな温泉に入っちゃってて・・・ 先に少し始めましょう。」

とマンツーマンレッスン開始。


7号機を取り出して、昨日同様に飛行機の操縦方法を教える。

オスカーさんの覚えは早く、40分ぐらいでパイロットスキルが生えた。更に20分応用や機能を教えると、早くもLv2に上がったらしい。

一旦着陸して貰い、暫く練習する様に伝え、単独飛行をさせる。


暫くすると、ヨーコさんも登場。肌が茹で卵の様に、ツルツルプルルンになってらっしゃる。

「お待たせしましたw」

とバツが悪そうな表情。そういう表情も可愛いですw


「オスカーさんを先に教えていたから、大丈夫だよ。今もう1人で飛んでるよw さあヨーコさんも追いつきましょう!」

と8号機を取り出す。

オスカーさんと同じ様に1時間の講習でLv2を獲得し、単独で飛行をさせる。


昼前に2人が店舗へと戻って来た。2人ともLv6まで上がったらしい。

「あんまりにもLvの上がりが早いのでビックリしましたw」

とオスカーさん。


昼食時にオスカーさんをみんなに紹介する。


「こちらが、オスカーさんです。ヨーコさんと同じ、商会のNo.2です。主に商会の商談とかの総括みたいな感じです。」

と説明する。


オスカーさんが自ら挨拶をして楽しくお食事。


食事が終わると、オスカーさんに、

「こちらのジャンセンさんに、航空部門のチーフをやって貰う事にしました。よろしくお願いしますね。」

とジャンセンさんを紹介した。


そして、オスカーさん、ヨーコさん、ジャンセンさんとで、航空部門の本拠地を何処にすべきかを相談すると、

「うーん、王都かトリスターかで迷いますが、トリスターで良いんじゃないでしょうかね?」

との意見で、


「じゃあ、トリスターを本拠地にしましょう。近々に屋敷全体を入れ替えるので、その時に引っ越しお願いしますね。」

と伝え、了解を得た。

但し、ジャンセンさんは、今一つ『入れ替え』の意味を理解出来ていない感じではあった。


さあ、明後日ぐらいに一旦トリスターの建物の入れ替えだな。

ふふふ・・・

と心の中で微笑むのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る