第166話

海渡ら3名も、屋敷へ戻る事とする。


新規の18人中、子持ちの2人はそれぞれ4歳と5歳の子供が居た。

なので、屋敷内の子持ち専用の部屋に入って貰う事となった。

(現在屋敷の中にあった従業員部屋は、基本子供のある人専用となっている)



最後に採用した16歳~21歳の男女8名に温泉の方で働いて貰っても良いか?と聞いたのだが、


「すみません、温泉って何ですか?」

と聞かれ、


「ああ、そうかこの国では温泉って無いんだったね。えっとお風呂って知ってるよね? あれって貴族様とかぐらいしか、入れないでしょ?」

と聞くと、全員頷く。


「で、温泉と言うか、大衆浴場と言うか、一般市民が入れるお風呂を作ったんですよ。で、普通は水を沸かして、適温にして入るんだけど、稀に地面からお湯が出て来る所もあるんですよ。

で、その地面から湧いてくる暖かいお湯を使ったお風呂を、温泉と言いまして、温泉は大抵、普通のお風呂の水と違うので、色んな効果があったりします。

うちの温泉は、回復効果と美肌効果ですね。ついでだから、寄り道して、実際の温泉を見てみましょう。」

とラピスの湯へ向かう。


そして、「ここです!」と手を広げ見せる。

鍵を開けて中に入り、


「まず、ここで靴を脱いで貰い、この下駄箱に入れて貰います。

更に、お客さんは、ここで入浴料、大銅貨10枚を払ってから、男女別々の入り口に入って貰います。

まあ、今日は取り合えず、全員男湯の方に着いて来て下さい。

そして、ここが脱衣所で、ここで裸になって、衣類等をこのロッカーに入れて、鍵を取ります。

これを手につけて・・・こちらがお風呂になります。

あそこで、まず体や頭を洗って、綺麗になったら、湯船でゆったりと、つかります。

あと、この下に、洞窟風呂もあるんですよ。こちらです。

ここが、地下の洞窟風呂ですね。一応、男女各80名が定員となってます。合計160名ですね。


で、風呂から上がって体を拭いて、少し休憩する人は、2階の休憩ルームに行って、一息付けます。

まあ、こんな感じの所なんで、ここだけ他の部門と違い、店が午後2時~7か8時時の5,6時間ぐらい。

開店前1時間で掃除をして、開店準備等をして貰う感じですね。

行く行くはこの2階の休憩ルームに売店を置いて、飲み物と軽食ぐらいは出そうかとも考えてます。

お酒は出しません。深酒している客もお断りする感じですね。」

と説明した。

全員ポカンとしていた。


「まあせっかくだから、今からそれぞれ男女に別れて入って来たらどうですか? 入れば判りますから。1時間後ぐらいに、この2階に集合って事で、楽しんできてください。」

と薦めると、


「ええ、是非に!!」

と女性陣が真っ先に食いついた。


それぞれに、タオルと石鹸を渡して上げた。



まあ、結果、お風呂上りに、冷たいミルクを出してあげて、火照りを冷まさせたが、もう大興奮。

お風呂に入った経験が無かったそうでして。


「で、ここで働くと言うのは、どうですかね?」

と聞くと、全員OKというか、滅茶滅茶喜んでいた。


「じゃあ、明後日からここで働く為の接客とかの訓練だなw」

と伝えると、キラキラした目をしていた。


「あとは、帰って契約と賃金面や条件等の説明をお願いしますね。」

とステーシアさんにお願いした。


ちなみに、ステーシアさん・・・ちゃっかり女性陣と一緒にお風呂に入ってましたwww


ステーシアさん、この温泉の凄さを湯船に浸かりながら、女性陣に説明したらしい。


この後、屋敷に戻り、ツヤツヤのステーシアさんをヨーコさんが、ジト目で見てたけどねw


一応、温泉組8人のリーダーは21歳のジョニー君にお願いする事にしました。


営業開始後は、夕食は屋敷のキッチンから、食事用の時空共有倉庫経由で、受け取って貰い、温泉のスタッフルームで取って貰う事になってます。



まあ、取り合えず温泉部門が決まり、ホッとした海渡でした。

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