第49話 情報規制

「ということは俺とモモコの狙いは同じってことか」

「マッドさんも!?」


「ああ、俺たちが年貢米を盗んだせいでこうなってしまった。この落とし前は自分でつけなければ」


私は宮中にナオがいるから今回のことを知ったが、裏ギルドの情報網の広さには驚いた。


「ちなみにマッドさんはどうしようと考えてますか?」

「それはまだ考え中だ」

「なら私に考えがあります」


私はマッドに説明する。すると彼も納得したようだった。


「マッドさんには情報収集をお願いします」

「わかった」


そこで私たちは別れた。




一方そのころ、バリトン男のモンドは二つの情報を集めていた。


一、蔵から年貢米を盗み出したのは誰か。

二、偽の使いを送り、ダムを欺いたのは誰か。


しかし、徹底した裏ギルドの情報規制、そしてモモコの依頼主だったおばあちゃんが死んだことで、調査は難航した。


「確かに五年前の出来事だからなかなか情報を集められないのも無理はない。が、これほど何も得られないとなると、裏で何者かが情報を規制しているとしか思えない・・・」


モンドは考え込むあまり、子供にぶつかった。


「あっ、すいません」

その女の子は一礼をして去っていく。


「あれ、今の女の子、どこかで会ったかな・・・?」

モンドは振り返るが、モモコはすでにいなくなっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る