第34話 転生チート
白魔法はどんな怪我や病気も治せる魔法である。
もちろんその域まで極めなければならないが。
私はすでに極めている。これが転生チートってやつだ。
そんな私でさえ、おばあちゃんのことを治せはしなかった。
「もしかして、これは病気ではないのでは・・・」
そう寿命だ。寿命なら納得できる。
しかし安易に寿命だと決めつけてしまっていいのだろうか。
「テサ、おばあちゃんの体調が悪くなったのはいつから?」
「二日前」
「その日、いつもと違ったことは無かった?例えば普段は食べないようなものを食べたとか飲んだとか」
テサは記憶を辿る。
「ここ最近は同じものしか食べてない」
「何か人から貰ったりは?」
「それもなかったはず・・・・あっ!」
テサは引き出しから偶像を取り出した。
「おばあちゃんの知り合いからこれを貰った」
「ちょっと見せて」
おばあちゃんが体調を崩した二日前に知り合いから偶像を貰った。
別に呪いとかを信じているわけではないが、これがただの偶然として片付けるにはいかないような気がした。
「ちょっと何をするの!?」
テサが驚く。
それもそのはず、私はその偶像を試しに壊してみた。
すると偶像から紫の光が放たれ、その光がおばあちゃんの体の中へと入っていった。
「これは・・・?」
「呪術の一種。この偶像に呪いがかけられていたってこと。これでおばあちゃんも元気になるはず」
おばあちゃんはゆっくりと目を開いた。
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