第18話 早退
会社近くの店に出向してる上司から、夕方作業を手伝って欲しいと連絡がきた。
話を聞いたら、今日の出勤スタッフが早退するから、との事。
まぁ仕方ないなと承諾し、事務所にいた同僚にその旨を話すと。
「あ、それ。私の事です」
という返事が返ってきた。
俺はてっきり店の常駐スタッフの話だと思って聞いていたし、
上司も名前では呼ばず『スタッフ』と言っていた。
なんとも不愉快に感じた。
俺が知らない人間なので個人名を出さずに『スタッフ』と言ったのだと思っていたが、
相手が同僚なら話は別だ。
「○○さんが早退するので手伝って」
で済む話なのに。
上司の底意地の悪さを感じつつ、同僚に体調悪いの?と尋ねると。
「一週間前から腕が痛くて、腱鞘炎みたいな感じ」
との答えが。
いやいや君さ、昨日も出社してたよね。
今日になって悪化したのか?と尋ねると。
「いや、ずっと続いてるんで医者に診てもらった方が良いと思い、早退します」
休みの時行きなさいよ。
平日休みなんだから。
一週間放置していて、休みの時に医者に行かず、悪化したわけでも無いのに早退する。
この上司にして、この部下あり、と感じた午前中でした。
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