第9話 蝉

「最近、蝉を見かけなくなった」

そう言った呟きを良く見かけます。


思い返せば、確かに僕が子供だった頃は、夏といえば蝉の鳴き声とスイカとプール。


あの、ビービー、ジージーと言った、けたたましい鳴声を聞くと「あぁ、夏が来たな」と、そう思ったものです。


今、深夜1時を過ぎていますが、僕は感慨深くあの夏を思い返していました。

なんせ、部屋の中に蝉が居たんですからww


家に帰って来たのは0時を過ぎた頃、玄関のドアを閉めて上着をテーブルに放ったところ、何かゴツっと当たる音がしました。


鍵は手に持ってるし、ポケットには何も入れて無いはず。


なんだろな?と思いつつ、上着をつまみ上げたら勢い良く飛び出して来ましたよ、蝉です。


自己主張の激しい彼等らしく、もう部屋中を飛び回り、たまに留まったら、ビービー、ジージーと全力で奏でてくれて、一夏分の思い出を僕にくれました。


格闘する事20分くらいでしょうか、なんとかティッシュ5枚重ねで鷲掴みにし、玄関から退場して頂く事に成功しました。


もう、疲れたのでお風呂入って寝ますw

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