まよわし

 雑踏はただの景色だ 人ではない

 ただ少し歩いて 散り散りになって

 その内の一人が 眼を見て言うのだ

「駅は何処に有りますか」

 こうなるともうダメだ

 私はへどもどし

 すみません わかりませんと

 足早に去っていく


 前に道案内をし

 後から調べてみたら

 実は間違っていたことがある

 未だに悔いている

 忘れられずにいる

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