立腹

 二三ヶ月ほど、愚痴ばかり聞いていて、それが仕事みたいになっている。自分の事でなくとも悪口を言われるのは辛い。立場上、嫌と言えないので尚更だ。


 愚痴にも生産性の有無が存在するらしい。

 例えば、部下が使えないだとか、これは生産性がある方だ。では注意をしよう、教え方を変えよう、そういう『解決方法』が存在するからだ。


 部下が皆、私を嫌っている、と言われたらどうしたらいい?

 それだけならまだしも、どうやら嫌がらせを受けているらしい。部下に。

 日常で起きる些細なトラブル、トイレの紙が切れていただとか、もしくはトラブルですらない、集まって悪口を言っている(に違いない)だとか、こんな妄想どうにか出来るはずがない。どうぞ病院に行ってください、だ。


 ただ、本人は絶対に認めないが、こういうありもしないことをネタに怒鳴り散らすのは、物凄く楽しいのだと思う。事実、言い終わったらスッキリしている。そしてまた、粗探しに出掛ける。最初に戻って繰り返す。

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