仕事私事
中学生の頃だったか、将来の仕事、就きたい職業について調べる機会が有り、そこで初めて意識したのだが、自分は全くもって働きたくなかった。気付いた時には驚き、そして絶望した。こんなやつが社会で通用するわけがない。だけど食っていかないといけない。なぜこんな世界に産まれたのだと、危うく世界を呪うところだった。
周りにいる「働いている大人」は誰も彼も、退屈そうに見えた。テレビの世界に憧れを抱くのはごく自然な成り行きだったと思う。だけどそれすら、視野の狭さからくるものであって、本当はあんなに過酷な世界もないと知った。私にとっての進学は、働くまでの時間稼ぎでしかなかった。
だがそうやって時間が経過するにつれ、世の動きが少し変わってきた。
最初に悩んでいた頃では想像もつかないような、「好きなことで、生きていく」人たちが出始めたのだ。私はすっかり救われたような気になった。もちろん状況は何も変わっておらず、あくまで他人事でしかないのだが、それでも、あの頃の自分が報われた気がした。
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