終末

 本屋に行くたびに妄想する。急に全人類が居なくなるなどして、この本を好きなだけ読めないだろうかと。金にも、時間にも、そして他人にも縛られずに読書が出来たら、どんなに素晴らしいだろう。

 何処か適当なところに布団を敷いて、気の済むまで本を読み、寝る。

 飽きたら散歩に出掛けるのだ。人の居なくなった街、その朽ち果てる様を見届ける。飯は、まあ、私一人ぐらいどうにでもなろう。孤独に耐えられなくなったら、死ねば良い。なあに、終末の世界にも、自殺の手段ぐらい残っているだろうから。

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