第2話 

どうも、先生。あのさ、薬が全然効かないんだけど。頭痛いんだよ。今日もさ、バスの中で子供が「どんぐりコロコロ」とか歌うたっていやがってさ。あの甲高い声とか本当に腹が立つんだよ。こっちは頭が痛くても仕事しなきゃならないのに。親は注意もしないで一緒にヘラヘラ笑っていやがって。貴様らの頭をコロコロしてやろうかっての。先生さ、俺はいつも思うんだけど、こうやって目からビームみたいなのが出て、やかましい子供の頭とかぶち抜けたらどんなにいいかなぁなんて。そんで親が泣き叫んだりするのを見れたらほんと爽快だよなぁ。あはは、冗談、冗談。

そういや、今日も事務のサカイがさ、営業日報の内容と交通費の申請の日付が合ってないって朝からぎゃんぎゃん騒ぎやがって、本社のどこだかの部署に電話しろって言うから面倒になって出てきたんだよ。事故にでも遭って死なねーかなこいつって思ったわ。交通事故とかでさ「日報だ」とか「申請だ」とかやかましい口ってか顔面ぐっちゃぐっちゃになって死ねばいいのに。そういうの、できたらいいよねー。こう、ちょいっと指をさすだけでそいつが死んだり、不幸な目に遭ったりさ。さっきの目からビームじゃないけど。

あれ、先生聞いてる? 新しい薬? そういのあるなら先に出してよ。この間のより強い薬か。あー、もう、だから、専門的なことは言わなくてもいいんだって。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る