麻央⑥

もう電話に出る気は無かった。


クリスマスの1週間前から

毎日電話がかかってきた。


とにかくクリスマスを越えるまで

何があっても電話に出ないと決心した。


毎日何件も着信があった。


家にも毎日電話があった。


23日に着信が二桁を超えた。


家にもかけ直して欲しいと言付けがあった。


24日の着信は数十件を超えた。


電源を切るのも怖かった。


25日の着信は数件だった。


それで着信は止まった。


これでようやく終わるのじゃないかと

何となく気をぬいていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る