『ボーイミーツガール☆』

ぽふ、

第1話 虚空

ここに、無限の広がりを持つ、空間が、あります。

真っ暗で何も見えません。


けれど〝彼女〟は、全てのあらゆるものを受け入れる力があって、その混沌とした全てを、彼女は自らでは気づかぬままに慈しんでいるのです。


彼女は空虚であり、それでいて混沌なのです。


ほかに同等の者は無いと思われる〝彼女〟は、たった独りでここに存在しています。


いつから? そして何故に?


そう、それは、彼女自身はもう思い出すことの無くなった、かの星の生命体だった頃に芽生えた意識の塊、感情の波動から引き起こされた、必然的な事象だったのです。


幾たびの巡り会いの中で彼女は、知ってしまった。


そのうちのどれもが、彼女を満たしてくれるに足る存在ではなかったのです。

幾度かのチャレンジの末、いつしか彼女は独りで居る宿命を受け入れました。


彼女の裡には光る星はひとつとして無く、永続的に独りなのです。

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