無
私は昔いじめを受けていた
小学校までは多くの友達がいたが
中学に入ると減ってしまった
いや表現が間違っていた
中学から親の都合で他の県に行くことになった
小学校の時のようにはいかないが
なめられないようにしよう
そう心に誓った
だが現実はそう簡単には、いかない
速攻でいじめの対象になった
なんでどうして
頭の中にその言葉だけが浮かぶ
私は次第に考えるのをやめた
もう仕方のないことなんだ
そんなことを考えながら
私は自分に
無意識に
鎖をかけていた
鎖をかけ
その鎖を隠すために
仮面をつけた
もう一人に自分という名の仮面を
中学一年の後半
胸のあたりに強い痛みを感じた
最初は何ともないと思った
でも痛みは次第に強くなっていった
そのことを親に言うとこんな言葉が返ってきた
「今ある薬がなくなったら病院に行こう」と
親は、たいしたことないと思ってそんなことを言ったのだろう
でも胸の痛みは日に日に痛くなる一方
何度も何度も親に言ったが返ってくる言葉はいつも同じだった
ついには倒れた
倒れたといってもほんの数秒でも実際に意識を失った
そして先生から言われいくことになった
それは胸の痛みが出てから3、4か月くらいの時だった
もう信じないように
もう感じないように
もう悲しまないように
何でもしよう
そうして私は仮面の上からまた鎖をかけ
その上に新しい仮面をつけた
感情を表に出さないように
無にするための仮面を
もう一生
この魂の鎖を外さないために
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