寂しさと温みと二匹の猫




夕暮れ

灯る街灯は

街に寂しさの影を落としていく



紅く染まる西の空を

手を繋ぐように寄り添って

二羽の鳥が飛んでいる


それを静かに眺めながら

もう戻れない過去を巡って

少しずつ冷えてきた指先は

まだ生きていると言って

過去と未来の稜線をなぞる


影を孕んだこの街を

窓際に並ぶように座って

二匹の猫が眺めてる


満ちる寂しさも

暮れる淋しさも

冷える指先も

生きる虚しさも

それでも

未来を期待してしまうような夕焼けの温かさも

つがいの鳥も

ひとりの私も

猫たちは気にも留めない顔をして

誰よりも気ままに現在いまを生きていた



全てが終わった夜の中

布団で丸く眠る二匹の猫

その温みはまるで夕焼け

未来への旅路を灯すあかり





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