忘却と誓い





たとえ深い悲しみの雨に

ずぶ濡れになっていたとしても

時が過ぎれば

晴れる日もあって

濡れた服も心も乾いてしまう

あの悲しみだって

いつかは忘れてしまう

後悔も悔しさも苦しさや寂しさも

いつかは忘れてしまうのでしょう



生きていくためには

必要なことなのかもしれない

でも

そのためにいろんなことを

忘れていく自分を断罪したくなる

本当にこれで良いのか、と



だから今は

思い出す度にまだ疼く傷が深いうちに

何度も思い出して

その度に傷を抉って

辛くなって

悲しくなって

寂しくなって

痛みを抱いて

もう二度とこんなことしない

今この手にあるものを大切にしなきゃ駄目

そうしなきゃ絶対駄目だって

その度に

抉る手を血で染めて

その度に

心に刻み込んで


忘れないと誓うわ














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