ござる、ござる、ござるでござる!!

第77話ごくごくごくごく


 リュウケン入れないだろうから南に迂回して進むこと3日、村が見えてきました。ここまで補給する村に出会わなかったことから、前時代的な交易と交通しか無いことを思いおこさせますねえ。


 村に入って休憩。めっちゃ怪しまれてますが。

 馬車の新機能「頑丈な前後の扉」のおかげで馬車を納屋に停めておかなくても別段盗まれないんですよね。らくちんなり。

 ポニーは納屋に繋げないといけませんが、納屋という以前に宿があるわけでもないのでどうしたもんか。


 村長の家に行って、寝だめさせろと交渉。+23の社交性ボーナスもありあっさりと了承してくれました。ただし食料は渡すだけの余裕がないとのこと。

 貴族が用意した商人、消耗品交易商人が寝泊まりするだけの余裕しか無いようですね。古いな。

 飼葉は流石に買えたので買って、寝だめしてからしゅっぱーつ!


 したのは良いのですが、リュウケンの南はまだきちんとした開拓されていないようで、道があるような無いようなって感じです。迂回ルートを通る人少ないのかな。

 たまに馬車と通りすぎるので迂回する人もいるのはいるみたいなんですがね。

 国境沿いだからあえて道をなくしているのかな?

 セイラリスを支配しているのはランカスリだったはずですが。

 サガット周辺じゃありえないですねーこういうの。サカキも国境までは道を敷設してますよ。交易って重要ですから。


 ま、このドワーフ馬車に進めないところはほぼ無いですからね、特に揺れることもなく進んでいきます。夜間はポニーを休ませて私が見張り。魔物出るわけでもないので楽ですねー。

 一週間、10日ですね、それくらいでランカスリに入ったようです。セイラリスのお茶はどこで入手できるのでしょう。やっぱ商会かな。

 近くの村に聞いて、セイラリスではないけど悪くないらしい、商会を把握、向かってみました。


 ついたけどぼろっちぃなー、質は大丈夫なんでしょうか


「こんいちはーサカ…ググルガンから紅茶仕入れに来たんですけど」


「おう、どれ位?」やせ細ったおっちゃんだな



「まず質を確認していい?ほれ、手形もあるし現物もあるから」


「……ホントだね、あいよ。におい嗅いでから飲んできな」


 お言葉に甘えまして、クンクン、んー?


「これ売るつもりなの?くさっちゃいないけどってレベルじゃん。エルフがブチギレるよ、この程度じゃ」


「……鼻が効くようだね。じゃあこっちをどうぞ」


 クンクン、これは香りが良いな。直感も警告を鳴らしてない。


「これで初級でしょ?これも味を見てから買うけど、ググルガンはリュウケンに睨まれてるから一度にもっと良い品のやつも運んじゃいたいの。どれ?」


「ふーむ、おい、アルク!アレもってこい!」


 アルクという奴隷さんと一緒に持ってこられたのは匂いからしていいやつでした。でも第6感が警告を発している。カマ掛けてやろう。


「クンクン、あーいいにおい。これが『普通』のレベルか。あっちで嗅いだのとはまだ質が劣るけどまあまあ良いわね。あまり舐めないでね」


「おてあげだ」


 というわけで粗悪品売りつけようとしたのを見破り、上質な紅茶と普通の紅茶を買い付けました。こういうのは商売やる人にとっては日常茶飯事なんだろうね。私は第6感が働いてくれたおかげで助かったよ。


 しかし奴隷かー。実は私奴隷労働にはそれなりの理解があって、服住居食べ物が保証されていれば『前時代なところなら』『選択肢には入るかな』って思ってるんだよね。

 今サカキなんかで奴隷やったら生産性が落ちまくって話しにならないけれど、前時代的なところなら奴隷が一番生産性が増すの『かもしれない』からね。

 でもアメジットに教わった『人権』を考えるとどうかなーってところはある。サカキはアメジットのおかげで『人権無視して生産性最重視する時代じゃない』


 んでまあせっかくなので紅茶畑を見学したんだけど、みんなやせ細ってるねえ。これじゃあ生産性悪いわここ。力でないでしょう。


 あ、ぶっ倒れてる人がいる。黄色い肌、ブキョー東部かブッシドーの国の人か?ちょっと助けておこう


「どうしたーしんでるのかー」


「み、みずをくれめんす」


「そういう人かお還りください」


「嘘でござる水がほしいでござる」


 きょろきょろ、監督官はいないな?よしじゃあこれをお飲み、4L入る水筒だよ。


「ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく」


「い、一気に飲みやがった」


「うまい、もう一杯」


「やっぱり還ろう?」


「嘘でござるでももっとほしいでござるよ。」


「はいはい。上級生活魔法フィル・ザ・ボトル・ウィズ・ウォーター!」

 これは1つの容器に一気に液体を入れるという魔法。最後のウォーターを各種オイルに変えれば本当に各種オイルが満杯になって出てきたりします。便利。


「ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく」


「何リットル飲むんだよ」


「っぷはー!生き返ったでござるよ!拙者はケンスケと申すでござる!いやーお金がないのにリュウケンに入ろうとしたら止められてここにて労働することになったのでござるよー。ここで入管時の借金を返すまではここで働いているのでござる」


「は?君奴隷でしょ?奴隷には賃金なんてまず出ないわよ?今何ヶ月働いたの?」


「へ?いやたしかに半年ほど働いたでござるが……」


「じゃあ普通は入管時の入管税なんて賃金でもらえてるわよ。ばっかねー無駄働きされてやんの。死ぬまでここよ」


「そそそそそげなー!拙者には異国見聞という仕事があるのでござる!こうなったらここの住民全てを皆殺しにして……」


「おおおおおおい!黒いオーラがまじで出てるよ!でさ、強いの?ヒルジャイアント倒せる?」


「アレくらいなら倒せるでござる。鈍いから遠距離から剣閃を飛ばし続ければ勝てるでござるな」


「剣閃とばせるのー!?強い。気に入った。馬鹿なところも気に入った。買い戻してあげるわ、付いて来て」


 途中奴隷監督官にであってなにしとるんじゃおらーっていわれたけど問答無用で右ストレートでふっとばしてさっきのところへ。


「やあ、こいつ買いたい」


「20サガット金貨」


「13」


「18」


「しっぶ、交渉なんだと思ってるの?14」


「16」


「15できまりね、はいどうぞ。私わりと金持ちなのよ、見破れずに粗悪品売りつけようとしちゃって。ざまあねえな、今度から他所で買い付けるわ」


「ままままってくれ!」


「さいならー、あ、着ていたお洋服とか武器とかもらうわ」



「かたじけないでござる!15サガット金貨は一生かけてでもお返しするでござる!」


「じゃあグリフォンの卵取ろう?アレ1つで50ブキョー金貨、ええとつまり25サガット金貨は固いよ」


「へ、卵一個より拙者の命が安いんでござるか?」


「そういう地域もある。それより何が出来るのー?料理は?ブッシドー国から来たんでしょう?ブッシドー料理は食べさせてもらえるの?」


「ええと出来るのは剣閃飛ばしと抜刀切りでござるな。後は乱撃で切り刻むのも出来るでござる。料理はLv8でござるよ!」


「罠解除とかは?ダンジョンで出来るのは何かな?」


「罠は漢なら黙って突破するでござる!」


「あ、本当におバカキャラかな?んでんで?」


「忍び足などはLv9で持っているでござるよ、戦闘スキルは全てLv10で、戦闘の行動なんて余裕っすよ!になっているでござる」


「あら御強い。馬引ける?それとそれと……」



 というわけでケンスケという旅のお供と一緒になったのでした!やったあ!みんなだいすきなブッシドー人だよ!泣いてよろこぼうね!



 ―――――――――――――――――――――


 ケンスケ 修行者


 Lv32


 HP401

 NP32

 STR266

 DEX214

 VIT207

 INT35

 WIL141

 CHA34


 ブッシドー語 カタコトな世界標準語


 恐怖耐性Lv9 空腹耐性Lv9 悪臭耐性Lv9 毒耐性 Lv9


 歩行力Lv6 根性Lv3 忍耐Lv6 忍び足Lv9 ダッシュLv6 スタミナLv6 行軍Lv6 料理Lv8 包丁Lv9


 積載増加Lv1


 動物調教Lv3


 道具使用Lv7

 肉体強化Lv9(すべてのステに+21、ケンスケユニークによりINTとCHAには効果なし) 肉体コントロールLv9(STR、DEX、VITに+34)

 熟練スキル

 睡眠・疲れ?なにそれ?Lv5

 真!天心流兵法Lv5

 戦闘の行動なんて余裕っすよ!Lv5


 ユニーク(カード表示不可能)

 愛すべき馬鹿


 装備


 刀


 着流し


 草鞋


 背負い袋(50L)


 ―――――――――――――――――


 #天心流兵法は実在する古武術です。なんと素晴らしいことに著作フリーです(権利は放棄しておりません)。#

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る