キミイロメモリーズ

宇田川竜胆

プロローグ

夢を見ている。


何年も前に交わした約束の夢だ。


空に浮かぶ月を、原っぱに寝そべりながら眺めている。


綺麗な満月だ。


僕の横には、幼馴染の双葉 葉月(ふたば はづき)が座っている。


「ねえ、ひな?私たちが大人になったら、お嫁さんにしてくれる?」


「もちろん!」


僕がそう答えると、葉月は破顔した。


「やっぱり、葉月は笑っているときが一番輝いてるよ」


月よりも綺麗だと思ってしまったのは本人には内緒だ。


葉月の青色の髪が風に揺れる。


このとき僕は誓ったんだ。


「絶対に葉月を幸せにする。何があっても葉月を笑わせてみせる」と。


そう誓ったんだ。

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