024: 川――水は代わる

「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく止まる事なし。世の中にある人と住家と、またかくの如し。」


「なに黄昏てるの?」

「鴨長明の『方丈記』の一説だよ」

「つまり、見た目は余り変わらないけど、中身は常に変わるってこと?」

「世の無常ってことかな」


「でも川って、洪水やら工事やらで流れは変わるでしょ。水源が枯れれば、川の水ってなくなるし」

「まぁ、昔に比べれば、今は環境変化が激しいってことじゃない。建築技術も発展したし」


「考えてみれば、川の水が上水道に入って、各家庭や企業・商店などに送られる。そして使用済みとなったら下水道に行って、処理後に川に戻されるんじゃないの?」

「そう考えると、家庭用水道も川の一部なのか」


「行く水道の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

「水道局、頑張れ!」

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