第二十七話・6

 最近、花音が楓に対して積極的になってきてるな。

 仲が良いのは結構だけど、仲良くしすぎるのも、それはそれで問題だったりする。

 正直言うと、私だけの弟くんに、そんなにべったりとくっついてほしくはない。

 いくら妹でも許せることと許せないことがある。


「弟くんったら。花音にデレデレしちゃってさ……。少しは、私のことも気にしてよね! もう!」


 近くに楓がいるわけじゃないのに、私はそんな独り言を言ってしまう。

 私ったら、ヤキモチを妬いているんだろうか。

 もしかして、花音に奪われてしまうことを危惧しているのかな?

 そんなことは、ありえないというのに……。

 そうこうしているうちに、楓が私の部屋に戻ってくる。


「おまたせ、香奈姉ちゃん」

「うん。さっそくだけど、始めちゃおうか?」

「え、もう? ちょっとはやくない?」

「お風呂上がりだし。ちょうどいいんじゃないかな」

「準備はしなくていいの? 花音がやって来たりとかは──」

「たぶん大丈夫だと思う。花音は来ないよ」

「それならいいんだけど」


 楓は、それでもなにやら心配そうに部屋のドアを見やっている。

 なにを心配しているのか知らないが、無断で花音が私の部屋に入ってくることはない。

 それと同じように、私も無断で花音の部屋に行くこともない。

 お互いに適切な距離感で、私たちの姉妹関係が成り立っている。


「そんな心配しなくても大丈夫だよ。さすがの花音も、私の部屋には入ってこないから」

「やっぱり2人きりっていうのは──。色々とありそうで……」

「それを今さら言うの? 私と弟くんの仲じゃない。きっと大丈夫だって──」

「でも……」


 楓は、とても恥ずかしそうに私を見てくる。

 別に気にする必要はないと思うんだけど。

 なにをされても今さらって感じだし。


「それとも私からの方がいいのかな?」

「それは……。僕から行かせてもらいます」

「それなら遠慮しないで、どんどん来なさいよ」

「うん」


 楓は頷くが、どこか遠慮がちだった。

 そんなに気にするようなことなのかな。

 私の下着姿なんて、もう見慣れているはずなのに……。


「ほらっ。はやく来なさい!」


 私は、ベッドに横になり楓を誘う。

 別にセックスをしようってわけじゃない。

 ちょっとしたスキンシップをとっておきたいだけだ。


「わかっているけど……。なんで下着姿なの?」

「これだと弟くんも興奮するかなって思って──。もしかして違っていたりする?」

「そんなことはないけど……。ちょっと目のやり場に困るかな」


 楓がそう言うのも無理はない。

 私が着用しているのは、いつもよりか少しだけエッチな下着なのだから。

 ちなみに、下着の色は白。

 生理に関しても、周期は過ぎているから大丈夫。


「だったら大丈夫じゃない? 私としては、もう少し充電したいな」

「充電って……。僕は、香奈姉ちゃんの電池じゃないんだけど……」

「勉強前のちょっとしたスキンシップだよ。──お願い」

「仕方ないなぁ。ちょっとだけだよ」


 そう言って楓は、私の体の上に被さってきた。

 その手はまっすぐに私の胸に触れてくる。

 そのまま私の胸を揉みしだくかと思いきや、楓の場合は少しだけ違っていた。

 確認のためなのか、何度か私の下半身の方を触ってくる。

 あまり激しくはしてこない。

 あくまでも確認のためだから、少し優しい触り方だ。

 それにはすっかり慣れてしまったから、なんとも思わないけど。


「どう? 私の体…ちょっと変わっていたりする?」


 それでもなんとなく訊いてしまう。

 私の体の触り方が変わったので、なにかあったのかと感じずにはいられない。

 楓は、なんでもなかったかのように私の胸を優しく揉んでくる。


「また大きくなったかなって思ってさ──。気のせいなのかもしれないけど」

「そんないきなりは大きくはならないよ。いつもどおりだよ」

「そうかな? なんとなくだけど、ちょっとだけ大きくなっているような……」


 楓がそう言うのなら間違いはないのかな?

 でもブラジャーのサイズは変わらないし、気のせいなのでは…とも思う。


「それじゃ、測ってみる?」


 私は、悪戯っぽい笑みを浮かべて楓にそう言ってみた。

 どんな反応を見せるのかちょっと気になったのだ。


「いや、遠慮しておくよ。さすがにそれは──」

「平気で揉みしだいてくるくせに、そういうことはしないんだ?」

「だって……。香奈姉ちゃんの胸は──」

「私の胸がどうかしたの?」

「とても触り心地が良くて……。いつまでも揉んでしまいたい気持ちになるんだ」

「そっか」


 それを聞いて、なんだか嬉しい気持ちになる。

 それと同時に、恥ずかしい気持ちにもなったが。

 今なら、ブラジャーを外してもいいかな。

 そう思い、私はブラジャーを外す。


「それなら、今ならいいかな」

「えっ」

「あとは弟くん次第だよ」


 ブラジャーを外したと言っても、ホックを外しただけだ。

 まだ胸元にはブラジャーだった一枚の布がある。

 取ろうと思えば簡単に取れる。しかし──


「別に香奈姉ちゃんのおっぱいが見たくてしてたわけじゃなくて……。僕はただ──」


 楓は、なにか言おうとしてたみたいだが、私の姿を見て言うのをやめた。

 たぶん、私の覚悟を見たからだと思う。

 私だって、少しくらいは楓の気持ちに寄り添いたいと思うし。


「遠慮しなくてもいいんだよ。おっぱい揉みたいんでしょ? だったらブラジャーなんて邪魔なだけだし……。なにもない方が弟くんだって嬉しいでしょ?」

「それは……。否定できないかも……」

「だったら、素直にならないとね」


 もう何度も見せているから、あまり気にならなくなってしまっている私がいる。

 奈緒ちゃんや美沙ちゃんも同じ気持ちなんだろうか。

 なんにせよ、楓には我慢なんてしてほしくはない。

 できる時にできることをしてほしいから。

 楓は、ゆっくりと私のブラジャーを手に取り、胸の上から外していく。

 こんなに安定感のないおっぱいなんて、私も初めてかもしれない。なんだか落ち着かない。

 無駄に大きいからよけいな膨らみが横に垂れてしまう。

 それを眺めるように見ている楓に私は言った。


「しっかりと揉んでよね。弟くん」

「うん」


 楓は、ハッとなってそう返事をする。

 ホントは、こんな事をするつもりじゃなかったんだろう。

 もっと違った形でのスキンシップがしたかったのは、楓の表情を見ればわかる。

 一体、何がしたかったんだろう?

 もしかして、この時間からセックスとかかな?

 ──いや。

 楓に限ってそれはないだろう。

 だったらなにを?

 考えれば考えるほど、よけいにわからない。

 とにかく。

 今は、楓に任せてしまおう。

 次の瞬間、揉まれている胸から心地よいくらいの刺激が襲ってくる。


「んっ。この調子だよ、弟くん。よければ、もっと激しくしてもいいよ」

「それは遠慮しておこうかな……」

「今、私のおっぱいを揉みしだいているくせに激しくできないとか──。嘘はよくないよ」

「嘘じゃなくて……。その……」

「やりたいことをやるんじゃなかったの?」

「やるけど……。そういう意味じゃなくて──」

「それじゃ、どういう意味?」


 今、楓の両手は、私のおっぱいを揉むのに一生懸命だ。

 だからこそ、よけいなことは言わないでおこうと思う。

 楓は、戸惑いながらも私のおっぱいを揉みしだいていた。

 うん。

 とても変な気持ちになってしまっているのがよくわかる。

 このまま楓とセックスがしたいっていう気持ちが前に出てきているから、これは求愛になるんだろう。

 その証拠に、私の下半身の秘部とおっぱいの先端が過敏な反応を起こしていた。

 たぶん秘部は濡れ始めてきていて、おっぱいの先端は勃っている感じがする。

 おそらく楓には、よくわかっているだろう。

 私の体の変化に……。

 楓は、なにを思ったのか私のおっぱいの先端を指で摘んできた。

 先端はやや硬めになっているので間違いない。

 だけど、それがよけいに私の心と体にいけない刺激を与えてくる。


「んっ」


 途端に出てくる私の喘ぎ声。

 そんなのを聞いて、楓はどう対応するだろうか。

 いつまでもやっていてほしいとは思っていても、そんな簡単にはいかないというのは事実である。

 その前に、楓の下半身のあそこに変化があったのだ。

 どうやら、私の喘ぎ声に反応したらしい。

 楓のあそこは、それはもう立派なものになっていた。

 どう言い訳をしようが、それは否定できるものじゃない。


「あら。弟くんのソレもずいぶんと素直なんだね。もしかしてエッチなことでもしたくなっちゃったりするのかな?」

「そんなことは……」


 はっきりと否定しきれない時点で、楓がなにを考えているのかよくわかる。

 仕方ない。

 ここはお姉ちゃんが、楓のことを立ててあげようか。


「仕方ないなぁ。…ちょっとだけだよ」


 私は、そう言って楓に無防備な姿を見せつける。

 特別なことはなにも起こらないと思うけど、それでも期待くらいはしてしまう。

 ちょっとだけなら、許してあげようかな。

 さすがにお風呂の後だからなのか、大したことはしてこない。

 私のおっぱいを揉みしだく以外のことはしてこなかった。

 ここまでしてあげても、楓の意思は変わらないみたいだ。

 でも揉まれている時に感じるこの刺激だけは忘れられそうにない。

 しばらくの間、楓の手つきに病みつきになりそうだ。

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