第二十六話・10

 正直、香奈姉ちゃんに対しては、どこまでやっていいのかわからない。

 ただ、全てを曝け出しているようなあられもない格好でいられたら、なにもしないわけにもいかなくて……。

 どうにも香奈姉ちゃんのペースに乗せられているみたいで、嬉しいやら悲しいやらなんともいえない気分だ。


「やっぱり香奈姉ちゃんには勝てないなぁ……。なんとかして、上手くやり過ごせる方法はないものか」


 そう独り言を言うものの、そんな方法なんてあるわけがない。

 今日も、香奈姉ちゃんと一緒に寝る日だから、絶対に逃れられないだろうし。

 せめて寝間着を着ることを許してくれたら──

 そんなことを考えている時に、香奈姉ちゃんが部屋に戻ってきた。


「お待たせ、弟くん。さぁ、一緒に寝よっか?」


 下着姿でそんなことを言われてもな……。

 僕を興奮させたいっていう気持ちが強いんだろうけど。

 最近だと、僕の部屋か香奈姉ちゃんの部屋のどちらかに泊まる事が多い。

 裸の関係って言えばいいのか、寝る時はお互いに裸になって、抱き合う形で寝る。

 香奈姉ちゃんと付き合うようになってからは、それが当たり前となっている。

 なんというか、香奈姉ちゃんのペースに乗せられているのがあまりにも虚しい。


「お待たせ、弟くん。さぁ、一緒に寝よっか?」


 ちなみに最近だとタオルすら体に巻いてないこともザラにある。

 下着を身につけていることだけがせめてもの救いだ。

 それも寝る時などに寝返りをうって自然と外れてしまいおっぱいなどがオープンになることがあるから、身につけている意味なんて皆無だが……。


「いいけど……。下着姿で寝るの? 寝間着は着ないの?」

「寝間着はねぇ……。どうにも胸の辺りがキツくて……」


 香奈姉ちゃんは、豊満なおっぱいを手で押さえながらそう言った。

 キツイからって、僕の顔に押し付けてくるのはいいのか。

 他の女の子のことを言いたくはないけど、香奈姉ちゃんみたいなことをする子はいないと思う。

 花音だって、まずしないと思うし。

 それに、気のせいか香奈姉ちゃんが身につけている下着が、いつもよりも大人なイメージな感じがする。

 ピンクが基調なんだけど紫色みたいにも見えた。

 そんな下着は今まで無かったと思うから、新しく買ったものだろう。

 下着の色を変えるだけで、こんなに大人っぽく見えてしまうのか。


「やっぱり、私にこの下着は似合わないかな?」


 香奈姉ちゃんは、不安そうな表情を浮かべてそう訊いてくる。

 普通に考えて、下着姿の女の子をマジマジ見つめるのは失礼だ。たとえ相手が香奈姉ちゃんであろうと──


「そんなことないよ。とても似合っているよ」

「ホントかなぁ? 弟くんのことだから、私に気を遣っているとか──」

「それは……。いつもと違う下着を身につけてきたから戸惑っているっていうか……」

「それじゃあ、この下着は外した方がいいかな? 裸なら、弟くんも文句は言わないよね?」

「さすがに下着は身につけてもらわないと……。目のやり場に困る」

「なんで目のやり場に困るの? 私の裸なんて、いつも見てるじゃない」


 たぶん私の裸なんてもう見慣れているだろって言いたいんだろうな。

 見慣れていても、普段見たらいけないものはあるんだけど……。

 香奈姉ちゃんのおっぱいと秘部は、ちょっと目にしたらいけない箇所だ。

 特にもおっぱいの先端部の色合いは、とても人には言えない。

 そこを触れるのは付き合っている僕だけの特権だろう。


「たしかに香奈姉ちゃんのおっぱいやあそこは何度も見てるけど……。そこは、本来は見たらいけないところで──」

「弟くんになら、見せても全然大丈夫なところだから安心して。さすがに触られたら恥ずかしい気持ちになっちゃうけど……」


 なるべくならおっぱいとか秘部は触りたくはないんだけど……。特にも、おっぱいの先端部とか──

 しかも、そこを強く誇張してくるのは何故なんだろう。

 それなりに大きいからだろうか。


「それなら──」

「それでも弟くんだから、ついやってしまうんだよ」


 香奈姉ちゃんは、そう言いながら下着を外そうとする。

 もちろんブラジャーの方からだ。

 僕がなにかを言う前に、はらりと一枚の布が床に落ちる。

 途端に支えがなくなって、大きなおっぱいが僕の前に晒された。


「あんまり見られてしまうと……。ちょっと恥ずかしいかも……」


 それをどうしろと言うんだろう。

 頭では、揉みしだいてしまいたいという欲望に駆られてしまうが、今の僕は妙に冷静だった。


「とりあえず、後ろを向いておこうか」


 僕は、香奈姉ちゃんのおっぱいの先端部をチラチラと見つめながらそう言っていた。

 いつ見ても魅惑的な色合いの先端部だ。

 指で突いたり摘んでみたいくらい柔らかそうな感じ。

 結構敏感な箇所だから、そんなことをしたら絶対に怒るだろうな。


「今なら、なにしても大丈夫だよ。きっと我慢できるから──。ね」


 香奈姉ちゃんは、なにを思ったのかそのままの格好でベッドに座り出した。

 そんな恥ずかしそうな顔で言われても……。


「いや。我慢もなにも……。先端部がしっかりと勃ってらっしゃるし……」


 香奈姉ちゃんのおっぱいの先端部は、しっかりとした形で隆起していた。

 ちゃんと揉みしだけば素直になりそうなほどのモノを持っている。

 香奈姉ちゃんは、僕に挑戦的な笑みを浮かべて訊いてきた。


「じゃあ、味わってみる?」

「香奈姉ちゃんがいいなら──」

「うん。たくさん舐めてみてね。きっといいものが出てくると思うよ」


 おっぱいの先端部を舐めてみたところで何かが出てくるとは思えないんだけど。

 僕は、香奈姉ちゃんのおっぱいの先端部に一度キスをした後、そのまま舐めてみた。

 ぷるんとした先端部の感触が僕の舌に伝わる。

 そんなところをあんまり舐めたりとかはしないんだけどな……。そこからはなぜか甘い味がした。そんな気がする。

 香奈姉ちゃんのフェロモンなんだろうか。


「んっ」


 香奈姉ちゃんの喘ぎ声が、よけいに色っぽく聞こえてくる。

 顔も紅潮していて、それが可愛く見えてしまう。

 ──やばい。

 もっとやりたいという欲に駆られてしまう。

 なにをしてるんだ。僕は──

 それを察知したかのように、香奈姉ちゃんは僕の頭をがっしりと抱きしめてきた。

 僕の口は完全に香奈姉ちゃんのおっぱいの先端部を咥えている。


「どうかな? 私のおっぱい。結構いい味がするでしょ?」


 そう言われても困る。

 ほぼ押し付けられてしまっている形だから、何も言い返せない。

 しかし、香奈姉ちゃんのおっぱいの先端部に刺激を与えることで返答はできる。

 もう片方の乳房は、空いた手で揉みしだいてあげよう。


「あんっ。ダメ! それはダメ! 私のおっぱいはそんなに耐えられ──。でも気持ちいいかも」


 そう言うものの、香奈姉ちゃんは僕の頭をがっしりと両手で掴んでいる。

 きっと気持ちよすぎて否定するのと肯定するのが同時にきてしまい、とてもアンバランスな状態になっているんだろう。

 しかしこんなことをされては、僕も途中でやめるわけにはいかない。

 僕は、空いたもう片方の手で香奈姉ちゃんの下半身の方の下着に手を伸ばした。

 香奈姉ちゃんは、抵抗するつもりはまったくないらしい。


「そこもやっちゃうんだ? 弟くんは、欲張りさんなんだね」


 そう言って、両脚の力を抜いていく。

 ショーツの方も脱がしてオッケーっていうことなんだろう。

 それじゃ、遠慮なく。

 僕は、香奈姉ちゃんの下半身の方の下着をできる限りゆっくりと脱がしていった。

 今どうなっているのか確認する術はないけど、かなりきわどい状況になっているのは容易に想像できる。


「さぁ。心ゆくまで楽しんで──」


 香奈姉ちゃんは、僕の頭を撫でながらそう言っていた。

 なんの恥ずかしげもなくそう言えるのは、なんだかすごいな。さすが香奈姉ちゃんと言うべきか。

 ちなみに香奈姉ちゃんの言葉に嘘は感じられなかった。

 良いのかなって思いながらも、今日は遠慮なく香奈姉ちゃんの体を抱いておこう。

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