第二十四話・14

 私は、どうしたらいいんだろう。

 やっぱり服を脱いで、裸になった方がいいのかな。


「香奈姉ちゃん。ちょっと離れてくれないかな?」

「別にいいけど。なにか良い方法が見つかったの?」


 私は、ついそう聞き返していた。


「良い方法って言われれば、そうかもしれないけど……。たぶん嫌なことだと思う」

「なんでもいいよ。やってみようよ」


 良い方法なら、どんな事だってする。

 だんだんとおっぱいの先端が敏感になってきているから、なんとかしないといけないし。

 私は、先端部に刺激を受けないようにそっと楓から離れる。


「それじゃ、服を脱いで」

「うん。弟くんがそう言うのなら」


 この場合、『やっぱりな』と言った方が自然かもしれない。

 でも良い方法があるという事に希望を見出しているから、私も敢えて何も言わずに服を脱ぎ始めた。

 やはりと言うべきか、私のブラジャーはもはやなんの役にも立っていなかった。

 そんなものを着用していてもどうしようもないので、それも外す。


「脱いだよ。どうするの?」


 服を脱いで裸体を見せると、楓は私の方を振り向いた。

 何をするかと思っていたら、なんと楓は私のおっぱいの先端部に触れてくる。

 しかも先端部を優しく抓るように弄ってきた。


「んっ」


 いきなりの事に対応できなかった私は、変な気持ちになってしまい、つい声を漏らしてしまう。

 さすがの私でも、これはちょっと変な気持ちになる。

 楓もそこまでするつもりはなかったのか、すぐにそれをやめた。


「ごめん……。そんなつもりじゃなかったんだけど……」

「別にいいよ。ちょっと変な気持ちになっただけだから」


 女の子って、男の子よりも性感帯が多い気がするのは、気のせいかな。

 裸体をちょっと弄られただけでもそうなるんだから、気のせいじゃないよね。

 それにしても、楓が言った良い方法ってなんなのかな。


「それで? 良い方法ってなんなの?」

「うん。それなんだけどね」


 楓は、なぜか自分のカバンの中を探り始めた。

 そして、数枚のシールみたいなものを取り出して、私に見せてくる。


「これなんかは、どうかな?」

「え……」


 それを見た私は、あまりのことに言葉を失ってしまう。

 私に見せてきたのは、軽い傷などに使う絆創膏だった。

 それもちょっと大きめのものだ。


「これって、絆創膏じゃない。もしかして──」

「うん! これをおっぱいの先端部に貼れば、少なくとも擦れることはないんじゃないかと──」


 意気揚々とそう言ってくる楓に、私はもう何も言えなかった。

 まさか嫌とは言えないし。でも……。

 たしかにブラジャーの替えは持ってきていない。

 だからって、これはあまりにも極端じゃないかと……。


「わかったわよ。仕方ないなぁ。その代わり、それは弟くんが責任を持って貼りなさいよね」

「僕が? 香奈姉ちゃんのおっぱいに? それはさすがに……」

「貼ってくれるよね?」


 脅すようにそう言うと、楓は逆らうことができなかったのか、素直に応じた。


「わ、わかったよ。今回だけ──」

「今回だけなんだ? 次はないのかな?」

「香奈姉ちゃんがいいのなら、次ももちろんやるよ」

「うん! それでいいのよ」


 私は、そう言っておっぱいを楓に見せる。

 おっぱいの先端部も見られているかと思うと、ちょっと恥ずかしいけど、この際仕方がない。

 楓は、恐る恐る私のおっぱいの先端部に絆創膏を貼っていく。


「んっ」


 どうしても貼ってくれた箇所が敏感になってしまうのは仕方ないことだけど、そこは我慢だ。

 しかし、これならわざわざブラジャーなんて着用する必要はないかと──

 そんなことを思っているうちに、楓は絆創膏を貼り終える。

 おっぱいの先端部に絆創膏を貼るのは初めてだけど……。

 なんか変な感じだ。

 胸の辺りを締め付けてこないので、ちょっとだけ快適だったりする。


「どう? 応急処置みたいなものだけど。これなら、擦れたりはしないんじゃないかな?」

「ちょっと変な感じだけど。まぁ、大丈夫だと思う。ありがとう、弟くん」


 私は、素直にお礼を言った。

 よくこんなことを思いつくなって思ってしまう。

 楓は、私のおっぱいが好きなのかな?

 暇があれば、よく揉みしだいてくるし。


「礼には及ばないよ。香奈姉ちゃんのおっぱいを見てたら、ちょっとね」


 楓は、そう言って私のおっぱいに手を添える。

 楓なりに心配していたんだな。

 そのまま揉みしだいてくるのかなって思っていたけど、そういうわけじゃなかった。

 できれば、そうしてほしかったんだけど……。

 要するに、私のおっぱいが魅力的で目のやり場に困ったんだろうな。


「私の胸って、そんなに魅力的なんだ?」

「いや、そういうわけじゃなくて……。香奈姉ちゃんの裸体が、ちょっと眩しく映ってしまって。その……」

「そっかそっか。とうとう弟くんにも、私の裸の魅力をわかってくれたんだね。なんだか嬉しいな」


 私は、そう言って楓に抱きついていた。

 裸体のまま抱きつくなんて慎みがないとか言われそうだが、嬉しいんだからしょうがない。


「せめて服を着てよ。このままだと僕の精神が保たないって……」

「大丈夫だよ。弟くんは、私の体にしか反応しないみたいだから」

「なんでそう言い切れるの? 僕だって『男』なんだし、女の子にはそれなりの反応を──」

「それじゃ、なんで今、あそこが勃ってるのかな?」


 私は、楓の下半身の辺りの大事なあそこを指差した。

 これには、さすがの楓もショックだったみたいである。


「そ、それは……。香奈姉ちゃんのを見たら誰だって……」


 ズボンの上からでもわかるとおり、楓のあそこはちゃんと反応していた。

 とても健康的で元気なあそこだ。

 あまり見ていたくはないけど、それでも視界には入ってしまう。

 やっぱり女の子のおっぱいとかを見たら、どうしても反応してしまうんだろうか。

 しかし同情するつもりはない。


「そうなんだ~。それは色々と大変だね」


 私は、悪戯っぽい笑みを浮かべて楓を見る。

 すると、なんだか楓の様子がおかしい。

 なにかあったんだろうか?

 もしかして、アレを漏らしちゃったとか?

 まさかね。

 楓は、ズボンの辺りを見た途端、表情をひきつらせ、慌てた様子で立ち上がる。


「あー。えっと……。着替えを探さなきゃ」


 私は、そんな楓の姿を見ていると、面白くなってきてしまい、つい口を開いていた。


「どうしたの? そんなに慌てて──」

「べ、別になにも……」

「弟くんらしくないなぁ……。なにかあったの?」

「いや……。一口には説明しづらいかも……」


 どうやら、図星だったらしい。

 今も替えのズボンとパンツを探しているみたいだ。

 その辺りのことは敢えては聞かないでおくけど、男の子の性処理も色々と大変なんだな。

 私は、慌てる楓の姿を見て、なるほどなって感心していた。

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