第十八話・15
やってしまった。
お風呂場とはいえ、香奈姉ちゃんにあんな事をしてしまうとは……。
だけど、あんなに気持ちよさそうな喘ぎ声なんか聞いてしまったら、嫌でも僕の大事な箇所が反応してしまうよ。
中での射精はなんとか我慢したけど。
それにしても。
香奈姉ちゃんの大事な箇所って、ホントに神経が敏感な箇所なんだな。
あんな風になるんだったら、もっと優しくすればよかったかな。
あの時のあられもない姿の香奈姉ちゃんは、どうしても忘れることができない。
今も香奈姉ちゃんは、機嫌の良い猫のように寄り添ってきて、僕に抱きすくめられている。
香奈姉ちゃんが言ってた、キスの一歩手前のこととは、これの事だった。しかし──
さすがにメイド服姿の香奈姉ちゃんに、これ以上のことはできない。
香奈姉ちゃんもこれだけで充分なのか、抱きすくめている僕の腕に、優しく手を添えていた。
「ねぇ、弟くん。お風呂場でのことだけど……。他の人には──」
「わかってるよ。誰にも言わない」
僕は、ギュッと香奈姉ちゃんを抱きしめる。
「うん。わかっているなら、大丈夫かな。この事は二人だけの秘密だからね」
「うん。わかった」
香奈姉ちゃんとセックスをしたなんて、一体誰に言うんだろう。
自慢できるようなことでもないし。
「さすが弟くん。これは、もっとご奉仕しないとダメかな?」
「え、いや……。さすがにもうご奉仕は……」
「ん? どうしたの? ひょっとして、お風呂場でのことで疲れちゃった?」
香奈姉ちゃんは、思案げな様子でそう訊いてくる。
疲れたっていうよりも、スキンシップのしすぎで変な感じなんだけど。
香奈姉ちゃんは、平気なのか。
「うん。お風呂場でのあれは、さすがに……」
「そっか。疲れちゃったのか。私は、全然物足りなかったんだけどなぁ」
「え……」
香奈姉ちゃんの言葉に、僕は唖然となる。
嘘でしょ。
あれで物足りなかったの?
あんな状態にまでなったのに。
なんか女の子の気持ちが、よくわからなくなってきた。
「香奈姉ちゃん。もしかして、まだ──」
「うん。ホントはもう何回かお風呂場でやっておきたかったかなっていう気持ちはあったんだけど……」
「さすがに僕の部屋でやりたいってことは──」
「それは…あるかもしれない。もし、隆一さんが自分の部屋にいないのなら私は──」
僕は、香奈姉ちゃんの唇に指を添えて、言葉を遮る。
「ダメだよ、香奈姉ちゃん。自分の体は大事にしないと」
「うん。そうだね。そうだよね」
香奈姉ちゃんは、納得したようにそう言って、さらに体をグイッとすり寄せてきた。
香奈姉ちゃんの表情をそっと覗くように見てみると、とても穏やかな微笑を浮かべている。
ようやくわかってくれたみたいだ。
これ以上、セックスなんてしたら絶対に我慢できそうにない。
香奈姉ちゃんの中で出してしまうだろう。
そんなことしてしまったら、その時はいよいよ後戻りできなくなる。
さすがにもう、何かをやってくるつもりはないだろうし。
僕は、ギュッと香奈姉ちゃんの体を抱きしめていた。
すると香奈姉ちゃんは、何を思ったのか口を開く。
「それだったら、私の部屋で続きをやってみよっか?」
「続きって、まさか──」
「お風呂場での続きだよ。私の部屋だったら、遠慮することなくできるんじゃないかな」
「できないことはないけど……。花音はどうするの? 絶対に自分の部屋にいるよね?」
僕は、ふと思ったことを訊いてみる。
香奈姉ちゃんとのセックスの続きはやってみたい気もするけど、花音がね……。
そもそも、香奈姉ちゃんの体が保つのかな。
次にやったら、確実に香奈姉ちゃんの中に出してしまうよ。
そうなったら、香奈姉ちゃんは……。
ていうか、香奈姉ちゃんは、僕に何を期待してるんだろう。
「大丈夫だよ。行為中にはやってこないから」
「気持ちはわかるんだけど、これ以上やったら僕のが……」
「もしかして、ずっと我慢してたの?」
香奈姉ちゃんは、なぜか不満そうにそう訊いてきた。
いや、普通は我慢するでしょ。
「だってゴム無しだったんだよ。普通は我慢を──」
「我慢って──。私とのスキンシップ中だよ。普通は我慢しないで全部出すところでしょ!」
全部出すって……。
お風呂場でのセックス中に、そんな事できるはずがないのに。
「いやいや。出しちゃったら、後戻りができなくなっちゃうから──」
「エッチな漫画とかだとほら。よくあるじゃない。男の子が女の子にエッチなことをする時に最後までしちゃうってやつ。だから大丈夫かなって思って……」
香奈姉ちゃんは、真面目な表情でそう言ってくる。
一体、何の漫画を読んだんだろうか。
「あれは、あくまでも漫画だからであって……。現実にそんなことまでしちゃったら、確実に妊娠させちゃうよ」
「まぁ、でも……。楓との子供だったら。可愛いと思うし……」
「いや……。だからといって、セックスはまずいでしょ」
「もうしちゃっているのに?」
「それは……」
そんなことを言われてしまうと反論できない。
「とりあえず、私の家に行こうか? 話はそれからって事で──」
「う、うん」
香奈姉ちゃんの提案に、僕は頷いていた。
今の香奈姉ちゃんに逆らったらダメな気がする。
これはどうすればいいんだろうか。
香奈姉ちゃんは、下着姿で自分のベッドの上に座り、両手を僕の前に差し出して、僕のことを待っていた。
「さぁ、弟くん。はやく来て──」
さっきから僕のことを『弟くん』と呼んでいるのは、求愛の証だろう。
着ていたメイド服は、乱雑に床に脱ぎ捨てられている。
今の香奈姉ちゃんの状態は、僕が香奈姉ちゃんの体に抱きついたら、すぐにお楽しみができる状態なわけだ。
これはあきらかに無防備な格好である。
着用している下着も、僕が手を伸ばせばすぐに脱がせることができるくらい緩くしてるんだろうな。
今の香奈姉ちゃんの格好を見ているだけでも、グッとくる。
お風呂場でのセックスでは満足できなかったと言っていたから、ここで満足のいく形にしたいんだろう。
そうなると僕は、香奈姉ちゃんの言うとおりにしないとダメなんだろうな。
「うん」
「服はきちんと脱いでね。もう一回、やるんだから」
「あ、はい」
そのまま香奈姉ちゃんのところに行こうとしたところでそう言われ、僕はそう返事をした。
香奈姉ちゃんは、律儀にも僕にセックス用のゴムを何枚か渡してくる。
そして、ちょっと不満そうな表情で──
「ホントは、弟くんの温かい感触を直で感じたかったんだけどな……」
「それは……」
「まぁ、無理だよね。お風呂に入ったばかりだし」
「香奈姉ちゃん……」
僕は、神妙な表情で香奈姉ちゃんの顔を見る。
別にゴム無しでのセックスが無理と言ってるわけじゃない。
ただ、色んな意味で危険だと言ってるだけだ。
──そう。色んな意味で……。
だけど香奈姉ちゃんに、そこまで言われてしまったら。
僕の決心も揺らいでしまうよ。
「少しでいいなら……。やってみる?」
「いいの?」
香奈姉ちゃんは、微妙に嬉しそうな表情を浮かべてそう訊いてくる。
香奈姉ちゃんとのセックスなら、僕は別に構わない。
だって、僕と香奈姉ちゃんは──
「僕のことを恋人だと思ってくれてるんなら、全然構わないよ」
「そっか。なんか嬉しいな。弟くんは、私のことをそんな風に思ってくれてるんだね」
「そんなの当然じゃないか。僕は、香奈姉ちゃんのことが──」
ここから先の言葉を言おうとして、香奈姉ちゃんに止められる。
香奈姉ちゃんは、僕の唇にそっと指を添えてきた。
「ここから先は、言葉じゃなくて態度で示してよね。言葉なんて、いくらでも出てくるものなんだから」
「うん」
僕は、頷くとゆっくりと香奈姉ちゃんの体に抱きついて、そのまま押し倒した。
たしかに、その後のことに対しては言葉はいらない。
僕の手は、香奈姉ちゃんの下着をゆっくりと脱がしていく。それも、ごく自然な流れで…である。
途端、香奈姉ちゃんの大きめなおっぱいが、僕の目の前に広がる。
この間見た時と変わらぬ見事なほどの美乳だ。
見ているだけで、引き込まれてしまいそうなほどである。
香奈姉ちゃんは、それを隠そうとしないで、わざと両手を広げたままにした。
顔を見れば、にわかに頬を赤く染めている。
これって、遠慮なく揉みしだいてもいいんだよね。
だけどその前に──
もう一方の下着の方も……。
「ショーツの方も──。お願い……」
香奈姉ちゃんは、それを悟っていたのか僕にそう言った。
「うん。それじゃ、遠慮なく」
僕は、香奈姉ちゃんのショーツにゆっくりと手を伸ばす。
これを脱がしてしまったら、後には引けなくなるだろう。
だけど香奈姉ちゃんに誘われてしまったら、どうしようもない。
今日は、香奈姉ちゃんが満足するまで相手をしてあげないと。
「んっ。もっと優しく……」
遠慮なく香奈姉ちゃんのおっぱいを揉みしだいていたら、そんなことを言われてしまう。
どうやら、香奈姉ちゃんのおっぱいを強く揉みしだいてしまったみたいだ。
手加減はしたつもりなんだけど。
「ごめん……」
僕は、素直に謝った。
香奈姉ちゃんは、頬を上気させて言う。
「弟くんったら、そんなに私のおっぱいが好きなの?」
「いや、その……。見ていて、つい……。良い形をしているなって思って……」
僕は、感想を吐露する。
香奈姉ちゃんの体の部位で、一番目立つ箇所といったら、おっぱいくらいだ。
もちろん下半身の大事な箇所も目についたが、そちらは最後の楽しみになる。指でなぞりたい気持ちにはなるけど。
「そっか。弟くんは、脚フェチかと思っていたんだけどな。おっぱいも好きだったんだね」
「そういうわけじゃ……」
完全には否定できない僕がいた。
僕がそう言った時点で、香奈姉ちゃんの思惑どおりだったんだと思う。
「いいよ。そんなに私のおっぱいを揉みしだいていたいなら、好きなだけそうすればいいよ。私は、弟くんとスキンシップができればなんでもいいから」
「香奈姉ちゃん」
「そのかわり、条件がある」
「条件? それって?」
「とっても簡単だよ」
香奈姉ちゃんは、笑顔でそう言うと、僕の顔に手を添えてきた。
次に何をやるかは、香奈姉ちゃんの態度を見てすぐにわかってしまった。
僕は、遠慮なく香奈姉ちゃんに抱きつく。
このぬくもりがなんとも言えない感じなんだよな。
「わかってるじゃない。さすが弟くん」
香奈姉ちゃんは、そう言ってギュッと抱きしめ返してきた。
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