第十四話・8

 楓の部屋に着くと、私はさっそくスカートの中に手を入れて履いているショーツに指をかける。

 楓は、その様子を赤面して見ていたが、これも私の狙いどおりだ。

 私は、指をかけたショーツを引き下ろし、その場で脱いだ。

 途端にスースーした感覚が、私の大事な箇所を襲う。

 これで俗に言う『ノーパン』になったわけだけど。

 どうなのかな?

 私とエッチをする気になったのかな?

 私は、ショーツを楓に見せびらかしながら言った。


「どう? 私とエッチをする気になったかな?」

「この時間に、それはさすがに……」


 楓は、私から視線を逸らす。

 視線を逸らしちゃうなんて、私に対して失礼だと思うんだけどな。


「やっぱりダメなの? 私は、楓とイチャイチャしたいだけなんだけどなぁ」

「ショーツを脱いでそう言われても……。それって、ただ単に僕とエッチなことをしたいだけなんじゃ……」

「そうだよ。楓と二人っきりですることっていったら、勉強かコレしかないじゃない」


 私は、楓の傍に寄り添ってそう言った。

 私が思うよりも楓はこういうことには消極的なのだ。だから、私から行動しないとエッチすらできない可能性が高い。

 さて、楓はどうでるか。

 私がしばらくそうしていると、楓の手が私の肩に優しく触れてくる。

 これは、そのままキスをしてくる流れかな。

 ドキドキして待っていると、楓は何を思ったのか私が手に持っていたショーツを掴む。


「ショーツはきちんと穿こうね。香奈姉ちゃん」

「今は、穿きたくないなぁ」


 私は、わざと駄々をこねた。

 すると楓は、私の手からショーツを取り上げようとしてくる。


「そんなこと言わずに…ね」

「ちょっと、やめてよ。ショーツが伸びちゃう」


 もちろん私は抵抗し、ショーツを取られまいとギュッと強く握った。

 しかし──。

 かなり強い力で引っ張り合ってしまったのか、私のショーツはブチブチと音を立てて布が破けてしまう。


『あ……』


 異口同音に発せられる私と楓の声。

 私のショーツは、すっかりゴムが伸びきってしまい、履けるようなものではなくなってしまった。

 見るも無惨な状態とは、このことだろうな。


「ご、ごめん……」


 まず楓が謝罪してくる。

 この場合は、私も悪いんだけど。

 このショーツ。私的には、結構気に入っていたんだけど、仕方ないよね。

 どっちにしても、これで私は『ノーパン』の状態で楓の部屋に居ることができるわけだ。

 私は、おもむろに楓のベッドの上に座り、楓に笑顔を向ける。


「謝るってことは、もちろん責任を取るつもりなんだよね?」

「う、うん……。そのつもり…だけど……」


 楓は、申し訳なさそうな表情でそう言った。

 これは、楓とエッチなことをするチャンスだ。


「だったら、さっそく責任を取ってもらおうかな」


 私はスカートの裾をめくり、スカートの中が見える状態にした。

 ノーパンの状態でこんなことしたら、大事な秘部が丸見えになってしまうことは十分にわかっているつもりだ。

 だけど楓には、絶対に見てほしいところではある。

 案の定、楓は顔を赤くして、私から視線を逸らす。

 やっぱり、普通に見るつもりなんてないみたいだ。


「香奈姉ちゃん」

「何かな?」

「とても言いづらいことなんだけど、その……。お願いだから、そんなところを見せびらかすのはやめてほしいな」

「どうして? 私のあそこって、そんなに汚れてるかな?」


 私は、そう言って自分の大事な秘部を覗き込むようにして見る。

 そこまで醜いところじゃないような気がするんだけど……。何がダメなのかな?

 それでも楓は、私を見ようとはしない。


「そういうことじゃなくて……。女の子としてどうなのかなって……」

「そう言われたって、意味がわからないんだけど。これから私とエッチなことをするのに、遠慮する必要があるかな?」

「え……。やっぱりやるの?」


 楓は、いかにも嫌そうな顔をしてこちらを見てきた。

 そんな顔したって、ダメなんだから。


「当たり前じゃない。…今日は、私の大事なあそこに指を挿れてもらおうかなって思っているんだから」

「指って……。やっぱり、僕のじゃないとダメなの?」

「楓のじゃないと意味がないよ。──安心して。ローションもあるから」


 そう言って、私はスカートのポケットからローションを取り出した。

 これは、楓とエッチなことをする時にと思ってあらかじめ用意していた物だ。

 チューブ型のものだから、携帯には便利なのよね。これ──。


「そこまでして……」


 楓は、私が取り出したローションを見て神妙な表情を浮かべる。

 そこまで本気とは思わなかったんだろうな。

 私的には、楓とはもうセックスをしたんだし、指を挿れてもらうことくらい、大したことじゃないだろうと思うんだよね。

 何故、そんなことをしたいかって?

 それは、私個人の好奇心だ。

 エッチな本に載っていた内容を、私も実践したくて、今回やるのである。

 楓とのセックスも良いけど、楓の指で私がイクっていうのもまた、いいんじゃないかなって思ったのだ。

 話だと、とても気持ちいいらしいから、実際はどんなものなんだろうか。


「そういう事だから。はやく済ませようね」


 私は、ローションを楓に渡した。

 楓は、案の定というべきか、引きつった表情になる。


「ホントにやるの?」

「何度も同じことを言わせないでよ。私がやるって言ったらやるの! 楓に拒否権は無いんだから」

「わ、わかったよ。…一回だけだからね」


 楓は、渋々といった様子でローションを指先に塗った。

 ホントに楓は、女の子に対して積極的じゃないよなぁ。

 私とはセックスもしたんだし、遠慮しなくてもいいのに……。

 私は、少し両脚を開き準備を整える。

 あとは楓の指が私のあそこの中にすんなり入るかだ。

 楓のアレは、私の中にすんなり入ってくれたから大丈夫だと思うんだけど……。


「それじゃ、いくよ」


 そう言って楓は、ローションで濡らした指を私の大事な秘部の中に挿れていく。

 楓の指は何の抵抗もなく、私の中へとすんなりと入っていった。


「あ……」


 途端、私は声を上げる。

 楓の指が私の中に入っていく瞬間だけは、どうしても変な気持ちになり、体も過敏に反応してしまう。

 たぶん、赤面もしてると思う。

 ただ、気持ちよくなったのは最初だけで、あとは何も感じなかった。

 楓は、緊張した面持ちで訊いてくる。


「どう? 気持ちいい?」

「う~ん……。最初は気持ちよかったんだけど……。おかしいな……。こんなはずじゃないんだけどな……」


 私は、すっかり戸惑ってしまいそう言っていた。

 楓の指は、間違いなく私の中に入っている。

 入っているはずなのに、何の満足感も得られていない。

 何が足りないんだろう。

 私が見たエッチな本には、たしかにこうすれば気持ちよくなるって書いてあったのに……。


「う~ん……。それなら、試しに指を動かしてみるかな」

「え……。指を? それはやっても大丈夫なの?」


 私は、不安そうな表情で楓に訊いていた。

 楓も、これをやるのは初めてなんだろう。ちょっとだけ不安そうに答える。


「たしか女の子のあそこの中は、優しく突くと気持ちよくなれる箇所があったような気がするんだ」

「そうなんだ。私ったら、その辺りのことは無知だから──。気持ちよくなれるのなら、遠慮なくやってよ」


 安堵した私は、楓にそう言っていた。

 楓は少しの間悩んでいたが、意を決すると頷く。


「それじゃ、やってみるね。初めてやることだから、キツかったら言ってね」


 楓は、ゆっくりと指を動かし始めた。

 途端、私の体全身に電気みたいな衝撃が走る。


「あんっ⁉︎」


 私の口から、思わず喘ぎ声がもれた。

 楓は、遠慮なく指をクリクリと動かす。

 私の中は楓の指によって良いように弄られる。

 体を動かそうにも、体全身に電気みたいなのが走って自由がきかない。

 私は楓のベッドに横になり、なされるがままの状態になってしまう。


「あ…あ……。んんっ……⁉︎」


 恍惚とした荒い息を吐き、私の中からじわりと液が漏れる。

 楓のベッドを私の液で濡らしてしまわないか心配だけど、今はそれどころじゃない。

 たぶん楓は、気づいてはいないだろうな。

 私の体はすっかり発情していて、いつでもセックスができる状態なことに……。


「やっぱり、これ以上はさすがにやめておくね」


 楓は、私の気持ちの変化に気づいたのか、そう言ってゆっくりと指を抜こうとする。

 私は、咄嗟に楓の腕を掴む。


「ダメだよ。まだエッチの途中だよ。…最後までやらなきゃ」

「最後って……」


 楓は、私の顔を見てそう言っていた。

 自分で見なくてもわかる。

 たぶん私は赤面していて、これ以上続けたらイッてしまうような表情をしているんだろう。

 最後までやったら、確実にイクだろうな。

 だけど、楓には是非ともやってほしい。

 私は、楓のことが好きなんだから。

 そんな私の気持ちを汲み取ってくれたのか、楓は最後までやってくれた。

 そこから先の記憶は曖昧で、よくわからない。

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