第十話・11

 今日は、楓の家に泊まることにした。

 理由は、楓のことがとても気になったからだ。

 奈緒ちゃんとの間に何があったのか、よ~く聞き出さないといけないからね。

 積極的なスキンシップも交えて。


「楓ってば、奈緒ちゃんに言い寄られたからって鼻の下伸ばしすぎだよ。少しは、自重してよね」

「だって、あんな風に近づいてきたら、誰だって戸惑うと思うし……。それに鼻の下なんて伸ばしてないよ」

「うそ。絶対に鼻の下伸ばしてる」

「伸ばしてないって……」


 楓は、そう言って私から視線を逸らす。

 焦ったいなと思った私は、楓の手を取って訊いてみる。


「だったら、何で私から視線を逸らすの?」

「それは……。裸で迫られたら誰だって視線を逸らすでしょ」


 楓は、恥ずかしそうにそう言って私から視線を逸らす。

 楓の言うとおり、たしかに私は今、全裸だ。

 だけどそれは、楓だって同じだ。

 なぜお互いに裸なのかというと。

 これから事を済まそうと思い、楓には私が持ってる新しいゴムを大事な箇所に着けてもらおうとしているのだ。

 なんなら手伝ってやってもいいかも。


「手伝おっか?」


 私は笑顔で、楓の大事な箇所を覗きこむ。

 意外と大きいんだな。男の子のあそこって。

 これから、それが私の中に入るんだ。

 どんな感じなんだろうか。

 それを考えるだけで、ドキドキする。

 隆一さんの時は、たしかに付き合ってはいたけどセックスをするような仲にはならなかったから、今回ので初だ。

 楓はどうなんだろう。


「これくらい自分でできるよ」


 楓はそう言って、ゴムで大事な箇所を包んでいく。

 しかし、その手は途中で止まったりしてた。


「手が止まってるよ」

「ちょっとだけキツいんだ。もう少しだけ待って……」


 楓は、すこしだけ痛そうな表情を浮かべる。

 見たらすぐにわかったが、楓も初みたいだ。

 ──よかった。

 お互いにセックスは初めてだから、恥ずかしがることもない。

 見ていられなくなった私は、思わず楓の大事な箇所に手を触れる。


「やっぱり、私も手伝うよ」

「え、いや、ちょっと……。やめてほし……。うっ……」


 楓は少しだけ抵抗していたが、私が楓の大事な箇所を握ると、抵抗するのを諦めた。

 途端、楓の大事な箇所が勃起した。

 また一回り大きくなった。

 しかも太くて少し硬い。

 これがホントに私の中に入るものなの? …て、思うくらいの大きさだ。

 しかし、その反動でゴムはすんなりと大事な箇所を包んでくれた。

 楓のあそこを見ていた私は、さっそく自分の下半身の大事な箇所を楓の勃起したあそこに当てがう。


「さぁ、準備もできた事だし。さっそく始めようよ」

「ちょっと待って……。まだ準備が……」


 楓の言葉を聞くよりもはやく、私は楓の勃起したあそこを手で掴み、そのまま私の中に無理やり押し込んだ。

 楓の話を聞いていたら、いつまで経ってもできないような気がしたのだ。

 楓のあそこは、何の抵抗もなく私の中に入っていく。

 途端、私の身体全身に電気みたいなのが走った。


「あんっ⁉︎」


 私は、たまらず声を漏らしてしまう。

 身体に襲ったのは、箇所を無理やり押し広げられた時の衝撃と奥まで挿入っていく時の甘美な感覚だ。

 私は、なんとも言えないこの感覚に衝撃を覚え、だんだんと呼吸が荒くなっていく。

 楓の方はというと、恍惚とした表情を浮かべて私を見ている。

 よく見ると、なにかを我慢しているっていう感じだ。

 それにしても、好きな人とするセックスってこんなにも気持ちいいんだ。知らなかったな。

 隆一さんの時は、本能的に拒否したから知らないし。

 私は、さらに上半身を楓の身体の上に預ける。

 それに反応したかのように、楓は私の大きめな胸を鷲掴みにして、にぎにぎと手を動かし始めた。


「んっ……」


 胸を揉まれる感触に私の身体が発情し、頬が赤くなる。

 一つ物足りないと言えば、私の中に楓のものが出てこないということだろう。


「香奈…姉ちゃん。これは、さすがに……」

「もう、『お姉ちゃん』じゃないよ。私のことは、ちゃんと『香奈』って呼ばないとダメだよ……」

「でも……」

「私が決めた相手なんだから、しっかりして……」

「僕にとって、香奈姉ちゃんは……」


 私の言葉でも、まだ迷っているのかぶつぶつと何か言っていた。

 内容までは聞こえなかったが、私のことを言っているのは理解できる。

 だけど、私とセックスをしてるんだから『お姉ちゃん』はないだろう。

 途端、楓の大事な箇所に反応があった。

 私の中でムクムクと蠢いているから、すぐにわかる。

 あんまり動かして欲しくはないけど、セックスっていうのはこういうのを何度もやるものなんだと思うから、少しは我慢しなくちゃいけない。


「んっ⁉︎」


 私は、楓のあそこの感触にたまらなくなり、さらに息が荒くなる。


「香奈…姉ちゃん……」

「どうしたの? やっぱりゴムありだと物足りないのかな?」

「いや、今のままで十分だと思う」

「うそ」

「嘘なんてついてないよ」

「ホントはゴムを外してやりたいって思ってるでしょ?」

「ゴムを外したら、香奈姉ちゃんの中に出しちゃうじゃないか。そんなことしたら──」

「大丈夫だよ。楓とのセックスだもん。そのくらいなら、我慢できるよ。それに、その方が楓も気持ちよくなれると思うよ」

「それでも香奈姉ちゃんは、僕の──」

「いい加減、私のことは『香奈』って呼んでよ。せっかくのエッチが台無しになっちゃうよ」


 セックス中にイライラするのはよくないっていうのは、私自身、よくわかっている。

 ただ、楓にはそろそろ自覚してほしいのだ。

 楓の恋人は、私なんだってことに。

 楓は、私の身体を優しく抱きしめて言う。


「ごめん。香奈の気持ちはすごく嬉しいんだけど……。ホントに僕なんかでいいのかなって思ってしまうんだ」

「何言ってるの。私たち、もうセックスまでしてるんだよ。後には退けないよ」

「ゴムはもちろんしてるけどね」

「もしよかったら、ゴム無しでも…いいよ」

「いや。さすがにそれは……。今は勘弁っていうか……」

「わかってるよ。楓」


 そう言って、私はゆっくりと楓から離れる。

 少しだけ物足りなさはあるけれど、これ以上はまずいかな。

 私の方が先にイってしまいそうだ。


「香奈姉ちゃ…いや、香奈。どうしたの?」

「何でもないよ。…ちょっとね」


 私は、事を済ませた後の大事な箇所に手を添えてそう言った。

 ちょっとだけ大事な箇所から液が漏れている。血ではない。

 何か拭うものがあると助かるんだけど、近くには無さそうだ。

 楓は、私のモゾモゾとした様子に気づいたのか、ゆっくりと起き上がると近くに置いてあったボックスティッシュを手に取って、私に差し出してきた。


「これで良かったら、使ってよ」

「ありがとう、楓」


 私は、何枚かティッシュを取るとすぐに大事な箇所から漏れ出た液体を優しく拭き取る。

 ちなみに、これは楓が出したものじゃない。私が出したものだ。

 どうやら、まだ私の身体が発情しているみたいで、この高揚感は抑えることができそうにない。


「楓。ちょっといいかな?」

「どうしたの? 香奈」


 私は、もう一度だけ楓の大事な箇所を私の中に入れたい気持ちが勝り、騎乗位になる。


「もう一回、楓としたいの。ダメかな?」

「いや、その……。実はゴム中に出しちゃってて……。これ以上は無理かなって……」

「そう……。それは残念だな」


 もう二~三回くらいできないものかと考えたけど、中出しはまずいと思うし。

 私は、楓に身体を預け、胸を揉ませる。

 楓は、戸惑った様子で私の胸を揉んできた。


「香奈…姉ちゃん。これ以上やったら、自分の感情が抑えられそうにないよ。また──」

「またしたくなっちゃった? 私は全然構わないよ」

「それじゃ、お言葉に甘えて──」


 その言葉と同時に、楓のものが私の中に再び入ってきた。


「んぅっ」


 私のあそこは、思ったよりも過敏なようで、ちょっと箇所に触っただけでも反応してしまう。

 でも最初の時よりも入りやすくて、安心したが。

 それにしても、楓がもう一度してくるなんて。よほどセックスに対する関心が深いんだな。実は、他の男の人よりもエッチだったりするのかな。

 それに、ゴムの中で出したんじゃなかったっけ。

 まあいいか。

 楓がその気になってくれたのなら、私は最後まで付き合ってあげるだけだ。

 私は、楓とのセックスを最後まで堪能していた。

 奈緒ちゃんのことを聞くのは、やっぱりやめておこう。

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