第4話 神社は基本並ばない



並ばない、というのは多少語弊がありますが、少なくとも、細い列を成すような並び方は困るなぁ、と思う今日この頃。


ここ最近の傾向として、神社の本殿に細く長い列を目にします。

前向きに捉えれば、礼儀正しいとも表現できますが、小さな神社や参道が細長いところ、急で狭い階段の先にある場所ならばともかく、ある程度、お参りできるスペースがあれば、他の人がお参りしている最中でも隣に立つなりしてお参りして良いです。


わざわざご神体の真正面に立つ必要はなく、の前に立ってご挨拶をすれば良いのです。


少し前の話ですが、小さなお社に他所から来た旅行客がお参りしていたところ、地元の方が旅行客の隣に立って、お参りし、さっさと帰った光景を目にしました。

旅行客の方たちは「何、あの人!」と随分ご立腹でしたが、地元の方は一切なにも作法に反したことをしていないので旅行客の人が怒るのはかなり見当違いです。


お賽銭を入れる隙間さえあれば、そこからお賽銭を入れて、さっさとお参りしてしまえば良いですし、神様への願い事やご挨拶に時間がかかるようなら、横にのけて、手を合わせれば良い話です。


とある質問サイトに上の旅行客と同じ体験をされた人が投稿されており、その回答に「そんな無作法な人には神様からばちがあたります」みたいなことを書き込みされてたものをみかけましたが、なにも無作法はしてないのですから、ばちなんてあたるわけがあありません。


お参りは一組ごとなんて決まりはありませんし、初詣や観光スポットの神社側としても結構な迷惑行為じゃないかと思います。

一組ずつお参りすること自体は本当につい最近の事で、神在月のように人入りの多い時期なんかは特に定期的に神社の方が見回りをして、「並ばないでください、並ぶ必要はないです」と列を散らしているのをみかけました。

神様の世界はどうかわかりませんが、神社がこの現実の世界にある以上、神社の維持費なんかも必要になってきます。

一組ずつお参りするのと、少しでも空いたスペースがある側からお参りするのでは回転率も違うでしょうし、団体の観光客に至っては滞在時間が決まっているので、下手すればお参りもできません。

お参りに行った側からしても、いちいち一組ずつお参りするのを待つなんて時間の無駄です。


私は一人で旅行に行った先のお参りだった場合で長蛇の列ができているときはお賽銭箱にお賽銭だけいれてちょっと離れたところで神様にご挨拶をして、さっさと次に行ったりします。

ぎょっとされたりしますが、神社を昔からお参りしてる側こちらからみれば、一組ずつ順番待ちをしている長蛇の列は、その人たちが勝手に列を作っているだけであって、「あんなに隙間があるのになんで誰も前に立たないんだろう」となるわけです。で、「ご挨拶できる場所が空いてるならさっさとご挨拶してしまおう」と長蛇の列を無視してお参りするわけです。


なので、長蛇の列をすっ飛ばしてお参りする人がいても、それは神社のルール的には何もおかしくないことですし、神様の前で手を合わせてる最中に隣に別の参拝者が突然やってきて、神様へのご挨拶を始めても何も悪くないです。当たり前のことです。


そこそこ私情の入った内容になってしまいましたが、地元参拝の方なんかが列をすっ飛ばしてお参りする姿を奇異の目で見る人が多くいますが、地元の参拝者からしたら、奇異なのは一組ずつ順番待ちしている人たちの方なのを覚えていただけたらと思います。


ただし、神社や参拝者の規模などで、並ぶように指示された場合は大人しく従ってください。

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