第43話 闘技場
「へえ、オーガの子供が薬を--やっぱり真矢は優しいね」
「そんなことないよ!魔物と仲良くなるって考えられなかったけど、ちゃんと話せばお互い手を取り合って生きていけるのかもしれない」
たがこの考えに桜が。
「でもオーガはまだ知能が高いから分かり合えるかもしれないけど、ほとんどの魔物は本能のまま生きてるから全ての魔物とは無理じゃないかな」
て反論した。それは残念だがその通りだと思った。
「そういえばカタルシアって闘技場あったよね?」
唐突に桜が言った。
「確かあった気がする、行ってみる?」
「行ってみよ!ちょっと気になってたんだ」
カタルシア城塞闘技場--冒険者や兵士が己の腕を試すための場である。
2人は闘技場の門をくぐり観客席に向かっていたのだが、真矢が目を離した隙に桜が居なくなっていた。
「あれ?桜?もうどこいったの」
とりあえず真矢は観客席に座り闘っている冒険者や兵士の戦い方を見て勉強していた。
「なるほど、そこからの魔法は使えそう--あまり他人の戦い方って観れないからすごい勉強になる」
真矢の観ていた試合が終わり次の試合が始まろうとしていた。レフリーが対戦者を入場させる。
「両者入場!--西、フェオの冒険者!戦士ダート」
「東、ウルの冒険者!アサシン桜」
「戦士とアサシンか!面白そう!……アサシンの人……いやいやまさか!同じ名前なだけだよね」
両者が入場した。アサシンはきょろきょろ観客を観ていた。そして真矢と目が合った。
「やっぱり桜だ!何してるの桜!!」
真矢は桜に向かって叫んだ。
それを聞いた桜は満面の笑みで真矢に手を振った。
「大丈夫かな桜、怪我だけはしないでよ」
何事もないように祈る母親のような心境の真矢。
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