伝説‥72話〜それぞれの進み行く道

 ここはトパーズの街の宿屋。シュウ達4人は部屋で話をしていた。


「……まだ来ないね、グラディスさん達。外はもう日が沈み掛けてるよ。」


「マリリンの言う通り、確かに遅い。まさか何かあったんじゃないよな。」


 シュウ達はそう話をしながらグラディスがリュウキとクロノアを連れて来るのを待っていた。



 一方グラディスとリュウキとクロノアとディアスとルナはトパーズの街の近くに転移していた。


 グラディスが、街のど真ん中に出るのは不味いだろうと言い、ここに転移する事にしたのだ。


 そしてリュウキ達4人の服装では、目立つかもしれないと思い冒険者の服に着替えた。


 その後、リュウキ達はトパーズの街の中に入り宿屋へと向かった。



 場所は戻り、ここはトパーズの宿屋。シュウ達は、グラディスがリュウキとクロノアを連れ戻って来るのを待っていた。


 するとノックする音がし、ミクは扉の方に向かった。


 そして、ミクは扉越しから誰が来たのかスキルを使い透視すると、そこにはリュウキ達が立っていた。


 ミクはリュウキ達を中に入れると、


「リュウキ達がやっと来たのらぁ〜。」


 そう言いながらミクは嬉しさのあまりリュウキに飛び付いた。


「……ミ、ミク!?は、離れろ!」


 そう言いリュウキは顔を赤らめながら、自分の身体にしがみ付くミクを引き剥がした。


「ゴメンなのら。でもリュウキ元気そうで良かったのら。」


 ミクがそう言うとリュウキは照れながら、


「ああ、ミクも元気そうで良かった。」


 リュウキがそう言うとミクは満面の笑みで頷いた。


 そして、リュウキ達はシュウ達の側まで来ると、


「やっと、来たみたいだな。」


「シュウ。ああ、トパーズの街の外で着替えてから来たから、少し遅くなった。」


「なるほどな。出来るだけ目立たん服で来たって事か。」


 クレイがそう言うと、グラディスはリュウキ達の後から部屋に入りシュウ達の側まできた。


「グラディスさん、リュウキ達が遅くなったわけは分かりました。それだけでこんなに遅くなるとは思えませんが。もしかして、向こうで何かあったんですか?」


「シュウ。ああ、城の方でな。……。」


 グラディスはシュウ達にオパール城で何があったのか話した。


「何でアイネが自殺を?それにあの2人までもが……。」


「クレイ。王もその事が腑に落ちず、ナルザス様に命じ、ダルナド達4人と共に調べる事になった。」


「そうなのね。そういえば、何故ルナとディアスを一緒に連れてきたの?」


「ん?マリリン、それはな。……。」


 そう言うとグラディスは、何故ルナとディアスをここに連れて来たのかを話した。


「そういう事か。確かにグラディスさんはジルベイムに顔を見られとる可能性が高いな。」


 クレイがそう言うとシュウは考えながら、


「それに、ミクは5人とリベルドに言った。そうなるとミクとクロノアとリュウキで3人。ルナとディアスを足せば5人になる。それで連れてきたって事か。」


「シュウ、そういう事になるわねぇ。あっ、それよりも、そろそろ明日の打ち合わせしないと。」


「クロノア、そうだな。……。」


 リュウキがそう言うとシュウ達は明日どう動くかを話し合った。


「そうなると、俺とクレイとマリリンとグラディスさんは、リュウキ達とは別に動き調べるってわけか。」


「シュウ、そうなる。リュウキの方はそれで大丈夫そうか?」


「グラディスさん。俺は大丈夫だが。ミク達は大丈夫なのか?」


「私は、もちろん大丈夫なのら。」


「そうねぇ。私も大丈夫だけど。ディアスにルナは大丈夫なのかなぁ?」


「はい、大丈夫です。私の力で、何処まで出来るかは分かりませんが、ミク達の足を引っ張らない様に行動していきたいと思います。」


「俺も多分大丈夫だとは思う。だけど、出来るだけ目立たない様に行動しようと思う。」


 そして、リュウキ達は明日どう動くか打ち合わせをし、その後、話し合いが終わると、食事を済ませ布団に入り眠りに就いた。


 そして翌日……リュウキ達5人とシュウ達4人は宿屋の外に出ると、


(さて、行くとするか。……。)


 そう心の中で呟き、シュウはグラディスとクレイとマリリンと共に街の中心部へと向かった。


 リュウキはシュウ達に背を向けると、


(さてと……まぁ、うだうだ考えてても仕方ねぇ。さぁ、覚悟を決めて行くとするか!)


 そう思い決心し、リュウキはミク達4人と共に街の入り口へと向かった。

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