第5話:少数だとしても
『―――誰に言ってるんだ?』
『誰でもないわ』
ふぅっと、一息。 髪を片耳に掛ける。
それだけの仕草なのに、流れるように見えて。
釘付けになる。
今だけ・・・彼女のためだけにある
『・・・幸せそうに生きてる人を見て。
素敵だな、素晴らしいなと思う人を観察して。
自分なりに考えたら、そういう結論に至ったわ』
響く人にだけ、響けばいい。
多数に響く言葉・・・考えではないと思うから。
『ありがとうね』
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