ハトウタ

ハトドケイ

第1話 コウイウヒト二ワタシハナリタイ

誰かが言った。


「人の命は平等ではない。」と。


例えば、赤子が事故で亡くなってしまったとする。


当然ニュースにも取り上げられ皆が可哀そうだと涙を流すだろう。


次に年寄りが亡くなったとしよう。


それは恐らくニュースには取り上げられないだろう。


もちろん取り上げられるときもあるが世間の関心は赤子の時と比べると低いだろう。


よって、命の価値には差がある。


そう言っていたが、本当にそうだろうか?


僕はそうは思わない。


さっきの奴に言ってやりたい。


君は誰かに悲しまれるために生まれてきたのか?と。


僕は知らない大勢の誰かに悲しまれながら死ぬよりも


僕のことを知っている少しの人間に


「よく生きたね。長生きだったね。」


と言われて死にたい。


あくまでこれは個人の感想だし、赤子の命に価値がないと言っているわけではない。


そしてこれを押し付けるつもりもない。


ただ僕は後者でありたいだけなのだ。

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