24/07/14② 十章のヤマを考える(※ネタバレ注意)
前回の続き。
忘れてた事が一つ。
今回。
子供たちに活躍して欲しいんだよ。
今まで、あんまり子供たちが活躍してなかった。
九章に至っては、まぁニコラ&ドンが大活躍したけど、幼児組が全然出番がなかった。
出したいねん。
八章の時みたいな「幼児だからこそ、見えるもの」からの、それを素直に出して大人を絶句させるような、そういうのを、出したいんよ。
八章の、二匹目のドジョウを狙ってるワケではありません。
嘘です。
狙っています。
特に、エリックの活躍が書きたい。
エリックが、ただのおバカな幼児ではなく、ちゃんと地に足がついたおバカに成長している所を、見せたい。
彼のカッコいい姿を、書きたい。
だからその山場で、エリックが、何かをカッコよく叫んで欲しい。
実は、脳内垂れ流しのエッセイの中でも、これだけは秘密にしておきたいなァーって思ってて、書いてない事があります。
もう、書かずに先が考えられないから、書いちゃうか。
コレも結構なネタバレやで。
読む人、注意。
いいかな。
実は、エリックに妹か弟が生まれます。
アンドレウ夫人は今回不参加なんですが、当初、その理由を主人公は知りません。
アンドレウ夫人も勿論ベッサリオンに誘ったんだけど、断られています。
断った理由は。
アンドレウ夫人、里帰り出産の真っ最中だったんよ。
主人公に妊娠を秘密にしていたのは、主人公に知られたら、恐ろしく心配しそうだから。それこそ「お前、こっち気にしてる場合じゃねぇだろ」っていう状況を差し置いて、心配してきそうだから。
だからアンドレウ夫人は、主人公に妊娠出産の事を秘密にしてたんです。
でも、エリックはそれを知っています。
一応母に「セレーネには秘密にしておいてね」って言われてて、頑張って最初は秘密にしてるんだけど、まぁ、途中でバレるよね。
バレるのはいいとして。(※アンドレウ夫人も、エリックが絶対秘密に出来るとは思ってない。一応釘刺ししただけ)
んで。
エリック。今、絶賛『兄』ブーム中。お兄ちゃんになるんだっていう気持ちが爆発寸前。いや、たぶんもう破裂後か。
ベネディクトやゼノに、「お兄ちゃんってどんな感じ?」って聞きまくります。(それで主人公は気づく)
エリックは、弟か妹が生まれるのが嬉しくって楽しみで仕方がない。
エリックは、これから生まれてくる弟か妹を『兄』として守りたいって思っている。
それが爆発した何かのセリフを、山場で叫んで欲しい。
例えば……
「それがオトコなら、おれはオトコじゃなくていい! おれはおにいちゃんになるんだ! おにいちゃんはまもるものだ!!」
的な感じでさ。
七章で「母には待つという選択肢しか許されていないなら、私は母じゃなくていい!」って叫んだ主人公みたいにな。
世間一般で言われている概念や、誰かに押し付けられた役割より、自分が思うモノになりたいっていう、エリックの純粋な気持ちを、な。
また、今まで散々、エリックは「男なら」「男として」って、ずっと周りから言われてきていた。が、主人公からはそんな事言われた事はないし、むしろそういう押し付けを主人公からはされた事がないから、エリックの中で、しっくりこなくってモヤモヤしていたモノがあるハズなんだよな。
今回の事を契機に、吹っ切れるエリック、というものを、書いてみたい。
が。
上記のセリフだと、シチュエーションに合わなそうだな。
セレーネの断罪と、エリックのカッコいいセリフ、どっちが自分の中で優先かっていうと、エリックだな。
今回は、子供たちのカッコイイ姿を描きたい。描きたいんじゃァ!!!
……どうでもいいけれど、メモ的に。
本来の乙女ゲームでは、エリックは一人っ子です。兄弟がいた事もありません。
でも今回、章の終盤には無事妹が生まれた事が判明します。
乙女ゲームの流れと随分また変わった事を、主人公はまた実感する事になります。
あと、生まれたて赤ちゃんに、セレーネはメロメロになって、アティに嫉妬されます。
***
ここまで考えて、あまりに脳味噌が疲れを感じてたので、一旦休憩してました。
回復したので、さぁやるぞ!!
さっきも言っていた通り、今回は「エリックのカッコよさ」「幼児たちの活躍」に焦点を当てたものにしたい。
だから、山場はエリックが状況をひっくり返すような感じにしたい。
エリックの成長を見せたい。
世間や誰かから押し付けられた「男」ではなく、自分なりの「強い人間」になる事を、自分なりの「真っ直ぐな人間」になる事を、エリックは目指しているものとする。
そうだなぁ……
ジジイは、セレーネが自分の足元に及ばない、愚かな女であると思っているから反対してんのさ。
だから、そういう関係の言葉を吐くハズなんだよね。
それに対しての、エリックの反論。
いや、シチュエーションからじゃダメだ。
私が「コレをエリックに言わせたーい!」から、シチュエーションを構築していく方がいい。
今までも全部そうしてきた。そうじゃないと、私はノって書けないから。
その「言わせたい言葉」を書きたいが為に、10万字以上を積み重ねるんだもんな。馬人参の人参や。
エリックに言わせたい事──
カッコいいセリフ──
ジジイが思わず言葉に詰まるセリフ──
「お(↑)れ(↓)はおにいちゃんになるんだ! おにいちゃんはいもうとをまもるのがおにいちゃんだぞっ!! お(↑)れ(↓)は! いもうとをいじめるオトコになんか、ならない!!」
……惜しい。
なんか惜しい。
もう少し、何か、もっとエリックらしい何かを……
「なんでだんちょうのジイちゃんはだんちょうをいじめるんだ! だんちょうはジイちゃんのマゴなのに! ジイちゃんが「オトコ」だっていうなら、お(↑)れ(↓)は「オトコ」にならない! おれは、いもうとをだいじにする、おにいちゃんになるんだっ!! アティとおんなじく、いもうとをまもるんだ!!!」
とか?
いい線行ってる気がする。
そう。
そういう系。
ジジイに啖呵を切ってくれ。カッコよくな。
そういう啖呵をエリックに切らせる、という事は、ジジイがその場にいて、セレーネを断罪しようとしてたのか?
いや、エリックのセリフ的に、断罪に対してのセリフじゃないな。
エリックがジジイから「男なら私のように時には冷徹な判断も下さねばならない!」とかて言われたとか? いや、それだとエリックに言葉が通じない。
もっと分かりやすい状況だ。わーきゃー騒ぐ幼児たちを黙らせるために、ジジイが何か言ったのかもしれない。
……待て待て。ジジイなら「子供は引っ込んでろ!」だな。
あ、でも、エリックが公爵嫡男である事は知ってるか、さすがに。だとしたら、「引っ込んでろ」とは言えないな。
何か、エリックを諭そうとしたのかもな。イラつきつつ、言葉で。
さすがのジジイも、エリックは殴れないからな。
八章の時と同じかも。八章の時は、ババアが、セレーネの愛情は本物じゃないって、なんとか伝えようとして、アティから「ほんものってなぁに?」からの「じゃあ、ほんものいらない」って、ドストレートな反論食らって、ぐゥの音も出なくなったんだよな。
そういう系や。
ジジイがいて、エリックがいて、セレーネがいる。
そして、第三者もそこにいる。
そう、例えば、第三章の時の、舞踏会真っ最中、みたいな。
他の貴族がいる場所でって感じ。
それはどういう時だろうか?
──ん。
お?
今、イメージが降って来たぞ?
ちょうど、ファンタスティックビースト3のDVDをかけてたんだけど、そういえば、そういうシチュエーションがあったなぁ。
立候補者たちが集う晩餐会、そして、選挙そのもの。
若干違うとはいえ、「第三者があつまっていて、注目されている時」っていうのは、同じだ。
そういうのだ。
──そうか。収穫祭だ。
ベッサリオンは、収穫祭の真っただ中。
その最後は、盛大な祭で締めくくられる、としよう。
例えば、ベッサリオン伯爵の住む城に、関係各位の貴族たちが集まり、祝賀会みたいのが開かれている。
そういう場で、ってのは、どうや??
なんか、良さげな気がするよ?
どうかな? どうかな??
結構良い気がしてきたぞ。
そのままイメージを膨らませよう。
今回のザマァは、ジジイの完全排斥だ。そして、ベッサリオンや関係貴族に「ジジイよりも、むしろ主人公の方が実は伯爵に向いているじゃないのか?」と思わせる事、そして「このジジイ、実はヤバイ人間だったんだ。関わらないようにしよう」と思わせる事。
その為の、ダメ押しがエリックの一言、そして、子供たちの援護射撃なのかもしれない。
そういう場だから、そこに子供たちが集まっていても変じゃない。
凄く良いタイミングな気がする。
じゃあ、そのイベントの流れを整理しよう。
こういう時は、後ろから考えていって組み立てた方がいい。
最後の最後は、ジジイへのザマァだ。
ジジイが企んだ事、そして、ジジイがやらかした悪事が明るみに出る。それがザマァだ。捕まれ、ジジイ。
ジジイが企んだ事、セレーネ暗殺と、横領、かな。
って事は、このイベントの前に、セレーネ暗殺未遂が発生したって事だな。
うんうん。この作品の王道パターンやな。一番危険なシチュがあり、それを乗り越えた後、首謀者を断罪してザマァする。色んな章で展開してきた流れや。
今回も例にもれず、その流れに乗る。それこそが王道。お約束。テンプレ。みんなが安心する流れだ。
あ。
分かった。
セレーネ暗殺未遂は、セレーネをおびき寄せて、殺そうとしたんやな。
そうすれば、セレーネさんお約束の「男装」シチュエーションも作れる気がする。
ちょっとそっちは置いておこう。
最後の断罪イベントや。
セレーネさん暗殺に失敗したジジイは、それでも彼女を排斥する事を諦めきれず、収穫祭最後の祝賀会だか晩餐会で、最後の足掻きを行う。
……なんだろう? 最後の足掻きって。
セレーネさん暗殺未遂が、ジジイが裏で糸を引いてるって──そうか、証拠がないから堂々を現れるんやな。神経の太いジイさんや。
んで、裏でコソコソしてるから上手くいかないんだ、やっぱり正々堂々と正義を主張しなければって感じで、晩餐会に出てくんのかな。
この時点では、セレーネさんは勿論、ジジイの企みに気づいている。警戒しているだろう。
じゃあ、どうやってジジイの足元を掬うか。
そもそも、ジジイはどうやって「正々堂々と正義を主張」するんだろうか?
その場を利用して勝手に「セレーネの弟を正式な次期伯爵として立てたのち、自分が後ろ盾になる」的な事を言う、とかかな? 言ったもの勝ち、的な感じで。
いや、でも、それじゃあ弱いよな。だってジジイは確かに前伯爵ではあるけれど、セレーネの後ろ盾は、現伯爵夫妻だ。
だから、違う。
セレーネを排斥できる、と考える、何か物凄いネタを持ってるんだ。
え、それって、何?
いや待てよ。待て待て。
今、ファンタビ3を見てる。あの選挙の時を考えろ。
それに似せるのはどうだ? パクリじゃないよ! インスパイア!!!
以下、ファンタビ3のネタバレが含まれるので、見てない方は注意!
***** ここから *****
ファンタビ3の最後の選挙は、不正を行ってグリンデルバルドが選ばれるように仕組まれていた。そして、その工作を邪魔されないように、ニュートを含む主人公たちはその選挙の場に行けないようにグリンデルバルドの部下たちに邪魔されまくった。
そういう、感じ?
でも、晩餐会に参加できないだけで、ってのも、なんか変だな。
ファンタビ3のように、その場で何か不正が行われていて、それを看破しようとする、のか?
ファンタビ3のあのシチュは「不正が行われる」「その場に間に合わないかもしれない」「間に合ったとしても、不正を看破する証拠が出せない」って所で、ハラハラさせられたよな。
こっちも、同じように、する、のか?
何か、違う気がする。
エリックたち子供たちが活躍するシチュエーションがある事が、まず絶対に外せない事柄だ。
そのシチュエーションを生み出す為には、どういう場がいいのか?
ジジイが、エリックたちを諭そうとする。
それに対して反論するんだな、エリックたちは。
エリックは、要は「お前みたいになりたくない。団長(セレーネ)みたいになるんだ」って啖呵を切るんだ。
子供たちにも「セレーネの方がいい」って言わせたい。
ジイさんが「そりゃアイツは子供に甘いからな」って言われるけど、それをイリアスやベネディクトが否定するんだろうな。「ダメな事をしたらガツンと叱られる」って。
事実、イリアスはビンタされているし、ベネディクトも追い詰められた。
エリックもアティも、セレーネにコッテリ叱られた事があるしな。
そのシチュエーションに、もっていくには?
……。
ファンタビ3。晩餐会の時。
ジェイコブが、ダンブルドア先生からもらった杖を抜いて、グリンデルバルドに「彼女を返せ」って言うんだよね。カッコイイよね。
でもその姿を見られて「暗殺者だ」って勘違いされちゃう。
そっちか? そっちの流れか??
両方のハイブリッドには、出来ないか??
セレーネが、晩餐会で、看過出来ないモノを見せられ、声をあげた事を批難されるって感じか?
そうだ。
この作品は「理不尽な目にあった時に声をあげろ」が全体的なテーマだ。まぁ、実際は声をあげるだけじゃなくって、結構大暴れしてるけどさ。
本来であれば、そこで声を上げないのが、長期的に見て正しい。我慢した方が得策だった。
でも、我慢できなかった。セレーネにとっては。
我慢できない事を言われた。
ああ。
セルギオス(本物)を、セレーネが殺したって、言われたのかもな。
最後の遠乗りに出た時。そこで、セルギオスが力尽きた時。
まわりには誰もいなかった。その場にはセレーネしかいなかった。
みんな、その時のセルギオス(本物)の状態を理解していたから、誰もセレーネが何かしたなんて、思わなかった。思うワケもない。ただ待ってれば死ぬヤツを、わざわざ殺す事もないって、誰もが分かってるし、兄大好きなセレーネが、兄を殺すワケがないって、知ってたから。
それでも、それから結構な時間が経って。
「セレーネは、自分が伯爵になりたくって、兄を自分の手で殺した」って言われたら、「もしかしたら、そうだったのかも」と当時の事を忘れて思ってしまう人間も、いたかもしれない。
もしかしたら、その晩餐会にはベッサリオン以外の貴族もいて、そいつらは「え!? そうだったの!?」と思うかもしれない。当時の事情を知らないから。
そうしたら、セレーネは我慢できずにキレるよな。
言っていい事と悪い事があって、それは絶対に言っちゃいけない事だ。
セレーネにとって、セルギオスを一人で見送った事は、去年一応トラウマから解放されたからといって、やっぱり心の傷にはなっていて、絶対に完全回復しない事だ。
触れればやっぱり激痛が走る思い出である事には違いない。
心の傷にダイレクトアタックかまされて、セレーネは取り乱す。それで声をあげるだろうな。
そして、それを見たジジイはほくそ笑みつつ
「そうやって取り乱すって事は、やはり事実だったんだ」って、言い募るだろう。ジジイマジ死ね。ムカつくわ。考えつつマジ胸糞。
「そして、今回も、弟であるヴァシリオスも手にかけようとしていた」って、更にいう。
セルギオスの事があるから、周りの人間は「もしかして、それは事実なのかも?」と思ってしまう。
人間、一度疑いを持ってしまうと、今までの色んな事が、そういう視点に切り替わってしまい、周りはみんなセレーネを疑い出す。
そんなシチュエーションかなぁ?
どうだろうか??
***** ファンタビ3のネタバレ、ここまで *****
結構、良い方向に持っていけそうだよね。
どうかな? どうかな??
もう少し、もう少し煮詰めたい。
ルートが見えるまで。
でも、今回のエピソードも凄い分量になってきたから、今回はここまで。
続きは次回。
以上!
それではね!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます