第89話【散布】
「透明の怪獣だと!?」
自衛隊最高位指揮官のである幕僚長の一人の神薙 矢代は
自衛隊作戦会議室で聞いた報告に対し絶叫を挙げた。
「え、えぇ・・・浮かぶ瓦礫からもハッキリと見て取れます」
「己・・・保護色か何かか!?」
「サーモグラフィーを通して見た結果
爬虫類の様な怪獣だと言う事が分かりました」
「カメレオンか!!まずは見えなくせねばなるまいて!!
すぐさま航空自衛隊に通達!!ペンキを散布して見えざる怪獣に色を付けろ!!
色を付けた後はすぐさま総攻撃をかけて始末せよ!!」
「了解しました!!」
部下が報告を伝える為に去って行った。
そして航空自衛隊が基地から飛び立つ
ペンキを散布して怪獣に色を付ける作戦を実行している。
街並みがペンキで一色に染まる、そして怪獣もペンキで色が染まった。
『GIGYAGYAGAYAGYA!?』
怪獣が鳴き声を発する、今までは如何やら声を発していなかった様だ。
そして怪獣に向かってミサイルが発射される。
『GIYAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
怪獣が絶叫する、何とか防ごうとするも効果が無い。
怪獣がカメレオンの様な舌を使ってミサイルを絡め取る、しかし誤って
それとも故意かは分からないが口の中にミサイルが入ってしまった。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!』
絶叫と共に怪獣の口の中から血が噴き出し
周囲のペンキ塗れの街並みを血塗れの街並みに変える。
航空自衛隊の戦闘機のみならず陸上自衛隊の戦車も現れ
怪獣に向かって集中砲火を加える。
『GYAAAAAA!!GYA!?GIGYA!!』
怪獣の体も血塗れに染まって来る。
怪獣は暴れて瓦礫を投げて応戦するが現代兵器の前に無力だった。
『GIGAYYYYYYYYYYYYYYY!!』
走り去ろうとする怪獣、しかし既に足は千切れかけている。
そんな中、爆撃機が一際巨大な爆弾を怪獣に投下する。
『GYA・・・』
怪獣の脳天に炸裂し大爆発を起こす。
絶命する怪獣、怪獣同様に爆発して消滅する怪獣。
怪獣11号は見事この世から消えさったのだった。
「やったああああああああああああ!!」
自衛隊作戦会議室では歓喜の声が挙がっていた。
神薙もほっとしていた、が直ぐに立ち上がり。
「ではこれより後始末に入る!!」
「分かりました!!」
部下達も声に応えて仕事に取り掛かるのであった。
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