第51話【マツの自宅】

夢宮はあきんどとの待ち合わせ場所に辿り着いた。

既にあきんどは待ち合わせ場所に待っていて携帯を弄っていた。


「あきんどさん!!」

「ドリーマー君!!ファンクラブのSNS見た!?」

「い、いえ・・・」

「COWさんと装荷崎さんも亡くなったって!!」

「なっ・・・なんですと!?」

「偶々事件当時にトイレで席を外していた無傷だった

顆粒さんが事情聴取されてるって」

「顆粒さんが・・・」


怪人の正体は顆粒か?と思案する夢宮。


「禍蜻蛉さんも倒れているし・・・もう何が何だか・・・」

「倒れた?」

「うん、事件には巻き込まれなかったけど

急性アルコール中毒で店の外で倒れてたって・・・」

「・・・・・」


禍蜻蛉も容疑者か?と疑う夢宮。


「・・・・・まずはマツさんの家に行きましょうか」

「案内するよ」


あきんどの案内でマツの自宅へ向かう夢宮。

マツの自宅は平凡な一軒家だった。

インタホーンを鳴らすが返事が無かった。


「・・・マツさんは一人暮らしなんですか?」

「そうだった・・・如何しよう・・・」

「・・・裏に回りましょうか、僕はこっちから回るのでそっちから回って下さい」

「え?・・・分かった」


あきんどと離れる夢宮。

あきんどの死角に入った瞬間に怪人に変身し猛ダッシュして裏口に向かう

そして怪人の力でこじ開けて人間に戻る。


「あきんどさーん、こっちー」

「はやっ!!」


あきんどと共に壊れた裏口に入る夢宮。


「裏口が壊れてるって・・・」

「運が良かったですね、じゃあ早速家探ししましょうか」

「うーん・・・行きますか」


あきんどはTRPG慣れしているのでこの手の状況には慣れていた。

まずは書斎を探したが様々な専門書や新聞のスクラップばかりであった。

最近の新聞記事は見つからなかった。

小一時間探した所で別の部屋を探す事にした。

寝室、メモ帳は有ったが日々の鬱憤等が書かれていたが情報は無く。

パソコン等が置かれた部屋にはパソコン以外に情報は無かった。

更にパスワードが分からない為パソコンも起動出来なかった。


「一体何処に情報が有るんだよ・・・」


ぐぅううと腹が鳴る夢宮。


「そういえば朝食べてなかったな・・・

大立ち回りが有ると思って抜いたんだった」

「一旦外に出ない?何か食べましょ」

「うーん、もう少し探したいですかね・・・」


そう言いながら居間を見る夢宮、そこにはスクラップブックとノートが有った。


「スクラップブック・・・?」


見てみるとつい最近の日付でまだ新しい物だった、ノートも見てみると

そこには禍蜻蛉ファンクラブについて書かれていた。


「これだ!!」

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