第125話突然…居候?
数日後…お昼前にインターホンが鳴ると、凜は昼御飯を作ってるため、晴斗が代わりに出ていた。
「はいはい。」
「晴兄開けて。」
インターホンを出ると麻莉菜だった、晴斗は連絡も無しで来たことでため息を付いていた。
「はぁ…なんで来たの。」
「…ダメだったの。」
聞いただけなのに、麻莉菜は元気を無くしていた、晴斗は「今開ける」と言って玄関の鍵を開け、ドアを開けると麻莉菜一人の姿しかなかった。
「どうした、一人で来たのか」
「下で待ってるよ。」
晴斗は連絡も無しで来て嫌な予感がしていた、降りると車に段ボールを何個も積んでると思っていた。
「えっ、待ってるって何、上がって来てって伝えて。」
「無理だよ、男性の力貸してよ。」
「…まさかさぁ…引っ越して来たんだぁとか言わないよね。」
「言わないよ…引っ越して来たの。」
「言い方じゃねぇよ、何処に引っ越したの。」
麻莉菜は晴斗の部屋に指を指してニコニコしていた、頭を抱えながらドアに寄りかかっていた。
…悪い夢だな。
晴斗は夢だと思いドアを閉めようとしていたが、麻莉菜の足で阻止されていた。
「優樹姉さんと叔父さんに許可貰ってるよ、二人も良いよって言ったでしょ……嘘だったの。」
「あのさぁ、連絡しろよ。」
「何で怒ってるの。」
「もう一度連絡して家に住んで良いか、今から家に行くねとか言えって怒ってんだよ、家に居なかったらどうしてた。」
「……ごめんなさい、優樹姉さんに今日は晴兄が家に居るって言ったの。」
…あぁ、朝連絡来てたな、家に居なさいってこの事かよ。
晴斗はイラッとしてたが、俯いてた麻莉菜の頭を優しい撫でていた。
「今から荷物運ぼうな。」
「ありがとう。」
「凜に言って来るからな、先に降りて運んでて。」
「うん。」
麻莉菜の嬉しそうに階段を降りて行く姿を見て、凜に言いに行っていた。
「ここに麻莉菜が住むって荷物持ってきたぞ。」
「えっ………嘘‥でしょ。」
凜は意味が分からないのか、呆然と突っ立っていた。
「マジだよマジ、急なんだけど手伝ってくる。」
「…………う、うん。」
凜は台所で頭を抱えた姿を見て、晴斗は「絶望するな」と言って、着替えて手伝いに行った。
麻莉菜は小柄なため、小さい段ボールを一個ずつ運び、晴斗は2~3個ずつ運と、直ぐに運び終えていた。
…ほとんど俺一人で運んだぞ、8人乗りの車で来てるって聞いてねぇよ、荷物多すぎんだよ。
晴斗はリビングのソファーで横になり疲れきっていた、美香さんと麻莉菜だけで来ていた、晴斗が息を切らせてると凜はお茶を持って立っていた。
「晴くんお疲れ様。」
「ありがとう、二人は片付けて居ないし…キスして。」
キスされると、お茶を飲んでいた、凜は横に座り考え込んでいた。
「……二人暮らしじゃなくなっちゃった。」
「イタズラも出来なくなるなぁ。」
「…二人だけの空間が欲しい。」
「ドアノブを鍵付きに交換しよっか、二人の空間必要だと思う。」
「……」
凜は俯いて静かだったが話を続けた。
「一緒に住むなら麻莉菜に条件付けよ。」
晴斗は立ち上がり、静かな凜の手を引いて寝室に入り、突っ張り棒でドアノブを固定して、一緒にベッドで横になるとお互い抱き締めていた。
「…晴くんと二人が良かった。」
「俺も同じ気持ちだよ…直ぐに慣れる。」
落ち着くまで擦っていた。
「…早めにドアノブ変えて。」
「今日変えるよ、この部屋に麻莉菜は入室禁止の条件付けるからね。」
「条件は晴くんに任せるよ。」
晴斗は麻莉菜の部屋に足を踏み入れ、美香さんの前で条件を何個も教えていた。
1.俺と凜の部屋を鍵付きにするが、入らないこと。
2.三人暮らしのこと、人に言わないこと。
3.凜と俺が一緒の部屋で寝てることを冗談でも人に言わないこと。
4.勝手に友達を連れ込まないこと。
5.麻莉菜の男友達と彼氏は入室禁止。
6.学校で家のことを言わないこと。
7.条件が増えることがある、約束を破れば泣いても謝っても追い出す。
晴斗は何度も教えていた。
「今はこの条件を守ってくれたらいい。」
「私は二人の部屋に入ったらダメなの。」
「ダメだ…ほとんど凜もリビングに居るよ。」
「ならいいよ。」
美香さんも男性を呼んだらダメと麻莉菜に言い聞かせていた、条件を呑むと晴斗は一人でドアノブを買いに出かけ、一時間後に帰ってきた。
三人の目の前でドアノブを交換していた、交換して凜に鍵を渡すと嬉しそうに受け取っていた、晴斗は麻莉菜の部屋に置いていた荷物や布団を圧縮袋に入れ直し終えると、昼にご飯を食べてないためお腹が空いていた。
「お腹すいたぁ。」
「私もまだなの、一緒に食べよ。」
片付けてる麻莉菜と美香さんを置いて、凜の作った麻婆豆腐を食べていた。
「晴くんが食べたいって言ったから作ったんだよ、少し辛いね。」
「そうかなぁ‥俺にはちょうど良い、美味しいよ。」
二人で食べてると麻莉菜も美香さんもリビングに姿を見せた。
「二人だけ食べてるの。」
「冷蔵庫に魚があるぞ、美香さんに焼いて貰ってね。」
「私も麻婆豆腐がいい。」
「多分麻莉菜には‥辛いぞ。」
子供じゃないと言われ、凜が麻莉菜に食べ指すと「辛いから要らない」と言われ、お茶を何度も飲んでいた。
「一口だけなのに…やっぱり子供だな。」
美香さんは冷蔵庫や家具を何度も見ていた「前来た時に思ってたんだけど、二人暮らしにしては大きいね」と言われ、晴斗は「安物を買いたくなかっただけです。」と凜を見て教えていた。
麻莉菜に袖を引っ張られ聞かれた。
「晴兄も学校でモテるの。」
「モテないよ、凜はモテてるよ、ラブレターとか呼び出されて告白されてる。」
凜のことを言うと、凜も麻莉菜に教えていた。
「晴くんラブレター貰ってすぐ断るんだよ。」
「やっぱり晴兄モテてるんだね。」
「晴くんに彼女居るとか、カッコいいねって言われてるんだよ。」
「凜が彼女って言っていいよ、てか俺あんまり声かけられないし。」
晴斗が凜に言うと、睨まれて言われた。
「晴くん声掛けにくいんだよ、すぐに先輩でも突っ掛かりに行ってたでしょ‥知ってるんだよ。」
「凜のこと聞かれて、絡んで来るの向こうからなんだよ…何で俺が他人に身内のこと言わないといけないんだよ。」
「ごめんね、晴くんも大変なんだね。」
「まぁ結論からして、俺はモテないで凜がモテてるってことだよ。」
晴斗は一人で納得すると、凜も麻莉菜も深いため息をついていた。
「あのね、話を聞く限り…晴兄はモテてるんだよ。」
「どうでもいい。」
「晴くんは人嫌いなんだよ。」
「まぁ‥友達でもないのに馴れ馴れしいのが嫌いなんだよ。」
麻莉菜は独り言を言って納得していた、美香さんは魚を焼いたのか麻莉菜と食べていた、夕方になる前に美香さんは帰っていった。
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