第56話凜からプレゼント…

親戚の家を出て、バイクで走らせると、信号機で止まると、凜はサンシェードを上げて目を擦っているのを、ミラーを動かし確認していた。


晴斗は広い公園にバイクを止めた。

「ごめんね。」

元気がなくなっていた。

「…今は早く帰りたい。」

「分かったよ。」


13時頃にアパートに着き、玄関で晴斗はおかえりと言ったが無視され、凜は一人で寝室に入って行った。


晴斗はリビングに荷物を置いて、そっと寝室のドアを開けて見ると、凜はベッドの横に体育座りで座って泣いていた。

「ごめんね。」

「…なんで、されたの。」

…キスのことか。

「急だったから、ごめんね。」

「…もうされないで。」

「凜が隠すからだと思うよ。」

「……だって恥ずかしいから。」


凜は泣いてたが抱えてベッドに寝かせ、股がっていた。


晴斗も悲しい表情をしていた。

「…ねぇ、俺だから恥ずかしい‥のか。」

「違うよ。」

晴斗は少し笑っていた。

「‥良かった、そうだよって好きな人に言われたら‥悲しかった。」

「…私も大好きだよ、だから退いて。」

「嫌だって言ったらどうする。」


凜の顔は真っ赤になっていた。

「…晴くんに‥プレゼントがあるから。」


晴斗が顔を近づけると、凜は真っ赤な顔を逸らしたがキスをして、退いて笑っていた。

「もう二人だから、邪魔されないよ。」

「…邪魔されないけど、待ってね。」


凜は直ぐに鞄からプレゼントを取り出し、恥ずかしそうに渡した。

「…開けて‥いいよ」


ベッドの上でプレゼントを開けると、シルバーとピンクのブレスレットが入っていた。

「ピンクは私のだよ。」

「小さいチェーンだね‥凜に付けてほしいな。」

「…いいよ‥甘えてるね。」


凜は付けながら、ペアルックでイニシャルが入ってると嬉しそうに教えてきた。 付けてもらうと凜にも付けてあげた。


初めて凜に貰ったことが嬉しくて、ベッドの上で抱き締めていた。

「ありがとう‥だから内緒だったんだな。」

「…麻莉菜の前では恥ずかしかった。」

「凜らしいな。」


晴斗からキスをすると凜からもされていた。

「…もう、麻莉菜ばっかり褒めないで。」

「頼むから、嫉妬すんな。」

「…無理だよ、小柄で可愛いって褒めるから、胸が苦しかったんだよ。」

「ごめんね…身内が増えて、本当の事言ってしまうんだ。」

「…晴くんに身内が居たっけ。」

笑って答えた。

「失礼だなぁ、伯父さんが居るよ…あとは、幼馴染みだけど、兄弟みたいな関係がいる‥冬休みに3日間家に帰らなかった時に泊まってた。」


凜は思い出したのか、笑っていた。

「…晴くんが優しくなったのはその後だもんね。」

「あぁ‥そうだよ、相談してたんだ。」

「…いい友達だね、晴くんを変えるぐらいだから。」

「今度春休みに連れて行ってあけるよ。」

「…お礼言わないとね。」

「凜は人見知りっぽいけど言えるか、たぶんビビるぞ。」

「…怖がらないよ、晴くんの友達でしょ。」


凜が怖がる姿しか浮かばず、楽しそうに笑っていた。

「…バカにしてるでしょ。」

「してるよ、凜が後ろに隠れる姿が想像できるから。」


凜は頬っぺを膨らませ、少し機嫌が悪くなったが、晴斗がキスをしたあと、イタズラしていいか聞くと、コクリと頷いた……が誰かに窓を何度も叩かれた。


「あぁ、誰帰って‥今邪魔。」

「…誰かわからないのに良いの、そんなこと言って。」

「いいんだよ、今邪魔だし。」

「…そうだけど‥見てきてよ。」


晴斗は機嫌が悪くなり、窓を開けた。

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