第4話 妻は大体ココで昔を懐かしんでます。

2019年の今年は5月から元号が令和となり、東京五輪も約半世紀ぶりに開始される記念すべきそう言えば綾子がこの居酒屋で坂口と飲む時に大体する話題と言えば『昭和は・・・』『平成は・・・』と梨男と綾子が生まれた昭和、坂口は生まれたのは丁度平成が始まる6年ぐらい前、つまり昭和とだが、大体は平成を懐かしく語っている。すると昭和世代の梨男と綾子は声を揃えて昭和の良い所を挙げた。

「僕は昔親に連れられて映画館でアニメーション映画を観に行った後、デパートのレストランで美味しいお子様ランチが食べられた事だね。その後、当時それほど高くなかったブリキの玩具を買ってくれたね。」

「私は大学生時代に梨男さんと会う前に文通でやり取りしていたの。その頃、平成が近付いている時期だったのに電話じゃ無くて文で想いをしたためたから温かみがあったわね。」

「懐かしいな、僕も綾子さんと会う前は緊張が先行しちゃって凄く寝不足になっちゃったの、覚えてるよ。」

すると坂口は意外そうな顔で聞いた。

「えっ、って事は遅刻したんすか?」

「そんな訳ないじゃない。会う当日、おそらく私の推理では1時間以上も待っていたと思うわ。」

「うん、確かに当たってる。だって今は妻の綾子さんを待ちぼうけにさせる悪い男になりたくなかったからね。」

「昔から誠実な梨男さんが好きでこの人の妻になったの。まぁ、本当に結婚して正解だって今は思ってる。///」

「すいません、そろそろ僕の平成の話・・・。」

もうちょっと聞いてよっと言う様な顔で自分を見る梨男と綾子を見たらそんな言葉を呑んで坂口は延々と二人の馴れ初めやデートをラブラブに話す二人に苦笑しながら話を聞いていた。今宵はここでお開きにしましょうかね。さようなら。

第四話 完

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