第123話 階段がね

『桜雪…休憩だ』

 クロさん、お年寄りである。

 そして太り過ぎでもある。

 階段の途中で、一休みする。

 少し休んで、階段をあがってくる。

『桜雪、ブラッシングだ』

 ゴロンと横になるクロさん。

 歳をとると、毛の艶も悪くなる。

 クロさん人間だと幾つなんだろう?


 猫でなければ、おじいちゃん。

「ずっと一緒に…」

 そう思うのは勝手なのだろうけど…

 それでも…願ってしまう。


「クロさん…」

 目を細めるクロさんを撫でると、時々、悲しい気持ちになる。

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