第63話 嫌な陽気

 晴れれば暑い。

 雨が降ると寒い。


 嫌な季節である。


 チョビさんもイライラしている。

『桜雪ーーー!! 寒いよーーー!!』

 朝起きると、一吠えして寒さを訴える。


 今朝は寒かった。

 明け方まで大人しく寝ていたチョビさん、暑さは我慢するが寒さは我慢しない。


『僕、起きたよー!!』

 ベッドから遅めの起床を訴える…誰に訴えるのか? 何のために訴えるのか?

 そんなことは知らない…とりあえず吠える。


 ベッドで寝ていればいいものを…わざわざ、僕の腹の上に乗ってくる。

『寒いよ…』

 で、結局寒いからベッドへ戻る。


「最初から来なければよかろうに…」

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