第38話 誰かさん

 とりあえず家中を散策しているブチ猫『誰かさん』

 警戒しながらも好奇心は強いようだ。


 冷凍庫からアイスを取り出す。

 チョビさんが足元でじゃれる。

『桜雪、ココ涼しいね』

 冷凍庫に顔を突っ込むチョビさん…と誰かさん

「いつの間に?」


 チョビさんもクロさんもダレカさんに無関心。

「ノラさんには反応するくせに…」


 とりあえずリビングへ戻ってソファに座ってアイスを少し溶かす。

「知覚過敏だからね」


 カップの表面に付いた氷を僕の腹の上でくつろぐチョビさんに舐めさせてみる。

『僕、ソレ好きじゃない』

 フイッとそっぽを向くチョビさん。

「僕と同じ知覚過敏なのだろうか?」


 ヒョコッとダレカさんが顔を出す。

 ジッとアイスを見ているので、差し出してみる。

 チロッと溶けかけた氷を舐める。

「コッチは好きなようだ」


 ダレカさん年齢不詳だが、チョビさんより若いのかもしれない。

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