第19話 一歩踏み込む勇気
明梨と蒼馬の二人はあのあとボーリングを終え、昼御飯でも食べようと近くの適当な
ファミレスに入っていた。もちろん勝敗としては蒼馬が勝ち越したのだが、なんとなく最後に負けたのが悔しかったので、デザートは俺が奢ることにした。
(・・・それにしても、)
「意外だな。」
「んー?モグモグ」
俺は目の前で、どこぞの「まぃうー」とか言う人より美味しそうにハンバーグを食べている明梨を見て、ついつい笑ってしまう。
「いや、お前みたいな奴って超ダイエットとか気にして、謎な少食でサラダとか食べてるイメージあったからさ。」
「モグモグ、もちろん、そういう子も沢山居るし、私もスタイルの維持にはダイエットするよ。」
「でも、好きなもの食べれないのは嫌だから、食べた分だけ運動するの。」
そう言ってまた一口ハンバーグを口に運ぶ。ライスも普通に食べてるし、これで太らないのは、運動量が相当なのか、それとも天性の何かか?
そんなくだらないことを考えながら俺もフライドポテトをつまむ。
「でも、蒼馬も食べるの早いよね。」
最後の一口を食べ終わった明梨が紙ナプキンで口を拭きながら言う。
「んー?まぁ同級生のなかでは早い方かな。」
実際、俺は明梨と同じハンバーグに大ライスにフライドポテトもつけていた。
ピンポーン
と、明梨がいつの間にかデザートのメニューを持ってボタンを押している、
「早いな」
「フッフーン」
別に誉めてないのだが、何かドヤってるからほっておこう。
そんなこんなで、明梨は季節限定のパフェを頼み、俺は普通の小さめのパフェにした。
「ねぇ、蒼馬ってやっぱり何かスポーツしてたでしょ?」
「そう思うか?」
「だって身体能力いいじゃん。それも超がつくほど。なんで学校では隠してるわけ?」
「・・・別に隠してるつもりはないよ。中学まで野球やってただけ。」
「へぇー!野球!」
「そう言う明梨は?スポーツとかやってなかったの?」
「水泳部だったよー」
意外だな、テニスとかの軽い運動部だと思っていたんだが、
(これはテニス部の皆さんに怒られるな)
「なんで野球やめちゃったの?」
「「っ!!!」」
その質問に後ろのボックス席に腰かけていた2人が、それぞれの理由で次の一言に注意した。
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