クラス編成で‥‥‥

俺達が通う『星の城学園高等学校』は、少し小高い丘のところにある。

全校数は約1000人以上と大きな学校だ。

学科も普通科、家庭科、美術科など様々な学科がある。

そんななか俺は普通科に通う。もちろん明美や恵美も普通科だ。

クラスも人数が多いので、それなりの数はある。特に普通科はクラスは5クラスある。



「彼女も普通科なのかな?」



なんて期待をこめて、俺は通い慣れた学校の正門をくぐった。

正門から少し離れた所がやたら人集りがあるのが見えた。多分あそこの掲示板辺りに、クラス分けの紙が貼ってあるのだろうと俺と明美、恵美が歩いて行く。

因みに明美と恵美は前日の入学式の時にクラスが一緒になった事を教えてもらった。

で、俺達が掲示板の方へ歩いて行くと、やたらガタイの良い男子が俺の方へと手を振りながら走って来た。



「おーい!ヒロー!」



前から走って来たのは、俺の親友の時野宗吉ときのむねよし

中学の時からの親友で、良く家にも遊びに来た。

因みに奴は明美の事が気になるらしい。

このらしいとは、本人から聞いた話ではなく、明美から聞いた話だ。

(なんでも宗吉ヤツは中学時代に2度明美に告白しているが、あえなく撃沈している)それは俺もしらなかった。



「おっ!なんだよヒロ。新学年そうそうに両手に花で登校か?」


「はあ?宗吉おまえな、良く見ろよ!明美と恵美だよ」


「あっ!明美ちゃん、おはよう。て、なんだお前もヒロと一緒に来たのか。エロ美」



「はあーん?先輩と一緒いちゃだめなのかよ!このエロ吉は!」



なんて言って宗吉に蹴りを一ついれるが、奴はそれをヒラリとかわしニタリと笑う。

おっと、因みにこの2人は兄妹ではなく、親戚だ。

この2人は会うたびに、このような状態になる。俺が前に「昔からこうなのか?」と聞いた事があったが宗吉は、



「そうでもなかったぜ。昔は『宗吉にいちゃんのお嫁さんになる』なんて言っていたからな」


「えっ!///ち、違いますよ先輩!私は先輩一筋ですから///」


恵美は顔を赤らめて行って来た事がある。

まあ、昔は仲が良かったらしい。今はあんな風の2人だが、仲が良いようにしか見えないんだがな。



「宗吉、クラス編成どうだった?もう見て来たんだろ?」


「えっ?ああ、安心しろ!またお前と同じクラスだ!」



宗吉は右手の親指を立てて、俺を見て笑った。



「そうか!また一年間よろしくな!」


「おう!‥所でヒロ、お前ちょっと話題になっているぜ」


「はあ?俺が話題に?」


「ああ、クラス編成表を見てこればわかるって!」




俺はどうゆう事か分からず、掲示板の所に行って見ると、一箇所だけやたら人集りがあった。

掲示板の横に貼られたクラス編成は左からA組だ。で、B組、そしてC組の所だけやたら人が集まっていた。

時野宗吉から俺は奴と同じC組になったと教えられているので、



「おっ!あった。俺の名前」



俺の苗字は朝日なので、たいてい一番先頭に名前があるので、すぐに見つかった。が、



「嘘‥‥‥だろ?」



C組のクラスの女子の欄に目を向けた瞬間、俺は目を疑った。そこにはあの彼女の名が、

『朝日 ヒロミ』の名があった。

名前を見た俺は、この一年間彼女と一緒のクラスだ、と思わず笑みがこぼれた。

しかし、何故俺が話題になったかは、やはり俺と同じ名前の女子が、しかも同じクラスにいる、と言う事だろう。

(みんな俺が来るなりジロジロと見るからな)

それにしても、通常は同じ名前の人はクラスは別々になるのだが‥‥‥



「あの自称精霊てのがしたのではないか?」



まあ、俺的には嬉しいのだが、肝心の彼女の方はどうなんだろう?




◇◇◇




「お姉ちゃん、よかったね。あの人と同じクラスで」


「う、うん‥‥‥」



そう私に言うのは、妹の朝日 日和ひより

しかし私は浮かない顔をして、返事をした。

そんな私に妹の日和は



「そりゃあね、お姉ちゃん、二回もあの人にお姉ちゃんが怒った背中をみせてしまったからねー。気まずい気持ちはわかるけど、これって仲直りするチャンスだよ」


「チャンス?」


「そうだよ。同じクラスなんだし」


「けど‥‥‥彼を好きな人がいるし‥」


「お姉ちゃん!恋は戦いだよ!そんなんだとあの人、あの女の子にとられちゃうわよ!」


「えっ!‥そ、それは‥」


「それに、あの人、お姉ちゃんの事気にかけてるっぽいよ」


「そ、そうかな///」



私は日和に言われ、照れた返事をする。

ただ、日和にああ言われると、何故だか少し勇気が出てくる。

だから私は教室に行ったら、彼に話し掛けて見ようと思った。

だって、彼は私自身なんだから、必ず私の返事をまってるはず。

て、私から彼に距離を取っているんだけど。

そんな時、彼の大きな声が聞こえた。




「そんなことあるかよ!」




と。けど‥‥‥この後私は、彼が苦悩する姿を目撃する。


















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