第七話 天つ空③

普段ならなんてことのない質問なんだろうけど。そっとそのサイトを閉じる。他のサイトを開く。そこは二択で十問と書いてあり、名前や性別を問われないものだったので、進めていた。

だが、そこでも

『相手が自分以外の異性と話していたら?』

と言う質問があった。私にとって那智は異性でなければ那智にとっての私も異性ではない。

途中で放棄し、三度目の正直!と新しいサイトを開く。そこでも、

『ふとした瞬間彼が何をしているのか考えてしまう』

という質問があった。


私が過敏になり過ぎているのかもしれない。でも、自分がどれだけ甘く考えていたのかを思い知らされた気分だった。


試しに“相性占い”も調べてみた。そこでも相手の性別は自動入力だったが、一問ずつページが異なるものではなく、全ての質問を入力し終わったあとに結果発表ページに飛ぶものだった。

私の性別を『女性』に設定すると、相手の性別が『男性』に設定されるので、相手の性別を『女性』にチェックしてみたが、私の性別が『男性』に変更されるだけだった。

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