第四話 花風(前編)

花火大会までの時間は、あっという間に過ぎていった。いよいよ明日は花火大会。

今日の授業は、それこそ、手につかなかった。明日、何を着ていこうかな・・・・・・。浴衣・・・・・・が鉄板だけど、昨年着た時にすごく食欲が失せたのを今でも鮮明に覚えてる。


今日の部活の時にでも、那智に聞いておこう。社会科室は課外で使われないため、掃除がない。今日もまた一番乗りだ。


今日はまた一段と暑い。今年の文化祭は出ないことになったため特にやることもないけれど、どうせ学校に来ているから・・・・・・と、部活をやっている。


今日の演劇部は、教室の前方で桜が一人でスマホゲームをやっていて、後方では私たちが話している。中々にカオスな状態だ。


そんな状況が一時間程度続いたあと、桜がおもむろに教室の後方へ歩いてきて、私たちの会話に参加した・・・・・・というより、割り込んできたという表現の方が正しいくらいだ。


ちょうど私たちの会話がきれたタイミング桜が口を開いた。


「明日って誰かと行くの?」

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