第34話 動始
えっ.....?
次から次へと俺の声がスピーカーから流れてくる。
「あーあ、雲水にいじめられたっていう嘘、みんな信じちゃった」
やめろ.....
「マジでバカだよねー」
やめてくれ
「本当は.....」
頼む.....
「俺がいじめてたのにねー」
「うわああああああああああああああああ」
俺は耐えきれなくて教室から出ていった。走って放送室に駆け込む。
「あきさきぃぃぃぃぃい!」
はぁはぁはぁ
だが放送室には誰もいなかった。
「クソ!どこへ行きがあった!」
踵を返し、一組へと向かったが、そこにもいない。
「屋上か......」
少し落ち着いてきた。一旦状況を整理しよう。
今日俺は雲水を潰すために
ここで浮かび上がる疑問は二つだ。
一つ目はあの男の声だ。
あの男は誰だ?
そして二つ目の疑問は声だ。
声は変わっているんじゃなかったのか?知人にボイスチェンジを使って電話をしても俺と気付かなかったが、もしや俺の友人にも手回しを?いやまさかな.....
まあいい頭の整理はついた。
そんなの、直接会って聞けばいいじゃないか。
屋上へと繋がる階段を上る。屋上の扉は開いていた。
「やはりな......」
深呼吸して外に出ていった。
「遅かったわね」
当然というべきか秋咲唯未が立っていた。敵とは分かっていても、今まで出会ったことのない美貌に目を奪われる。
ああ、俺のものにしたい。
「やはりお前か」
「ええそうよ。」
「どういうことか説明──」
と言いかけた時ふと、何もかもどうも良くなってきた。今までのこととか聞こうと思ってたけど、もう遅いじゃないか。
どうせ人生終わるなら.......
「おいお前、俺のものになれよ」
「は?嫌よ。」
ならしょうがないか、俺は秋咲に迫っていき力ずくで両腕を押さえた。
「いやっ.....やめてっ........」
「お前なんだろう?例のメール主は。俺は傷ついたんだ。償えよ。」
「助けてええええええええ」
秋咲は叫んだ。
ちっ。バレるのは時間の問題だ。こうなったら仕方がない。
拳をグーにして、腕を振り上げ、秋咲を殴ろうと─────
パシッ
腕を掴まれた。掴んだやつを見る。
こいつ誰だ?こんな美少年、うちの学校にいたか?
「さ......さぐり......くん......」
秋咲は何やらつぶやいていた。
そしてその美少年は言った。
「おつかれさま。今まで指示通り動いてくれてありがとうな、三島景。」
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こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。
レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。
毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。これからも、『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。
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