第22話 同的

『私も雲水が嫌い。一緒にアイツを潰そう。』

相手は女か。まぁ男の可能性も無くはないけど、あいつに恨みのある男はなかなかいないだろう。あの顔だしな。

俺は即座に返信した。

『申し訳ないが、何を言っているのかわからない。俺は転校してきたばかりで少し疲れている。もうメールしてこないでくれ。』

そして、相手のメールを迷惑メールのところに入れようとした時、


『私はなんで君のメールアドレスを知っていると思う?』


嫌な予感がした。


『分からない。誰かから聞いたのか?』

『私は君の住所も知っているよ。』

こいつはきっとやばい。ネットを使って俺の事はすでにほとんど知っている。そう確信した。

『もう一度聞く、何が用件?』

『私は君と敵対したくない。私に協力してくれ。絶対に君の手は汚さない。』

『申し訳ないが一人で出来る。お前の手は借りない。』

ここで、雲水のことが嫌いで潰そうとしているということを認めた。もうどうせ完璧に知られているしな。

『君は絶対に出来ない。今のクラスは雲水に支配されていると言っても過言ではないからね。』

そうか......それは少しめんどくさいな。

でも、こいつの手は借りれない。

『俺はお前を信用出来ない。信用させるものはあるのか?』

『あるよ。明日証明してみせる。それで信用してくれたら手を組んでくれるかな?』

『わかった。』

そう返事をして今日は眠りについた。


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次の日 朝



学校に着いた。さて、昨日のメールの主は一体何をしてくれるのやら。そう思いながら、教室のドアを開ける。


「何かあったのか...?」


教室は何かの騒ぎになっている。

ひとつの机をクラスメートが囲んでいるようだ。

あの席は......雲水だな。

例のメール主が動いたか。それにしても早過ぎないか?何があったんだ?


自分の席に行く途中の雲水の席を通る時、軽く耳を立てて、話し声を聞く。

「傷とかない?」

「大丈夫??怖かったね」

クラスメート達は、薄っぺらい気遣いをしている。

にしても....傷か....

物理的攻撃を仕掛けたのか。

どうやら失敗したようだが。

昨日俺が信用出来ないと言ったから突発的にやったのか、それともやる計画をしていたのか....

前者なら相当リスクがあるはずだ。


ガラガラ


「静かに。」


先生が入ってきて、雲水の周りにいたクラスメート達が自席に戻っていく。

囲まれていて見えなかったが、どうやら雲水に怪我はないようだ。


「ほとんどの人は知っているようだが、帰宅途中、雲水が何者かに襲われた。奇跡的に男性に助けられたようだが、犯人はまだ捕まっていない。

犯人の特徴は男性で年齢は40歳から50歳くらいでナイフを持っているそうだ。

両目の横にホクロがあったらしい。

帰宅の際はなるべく固まって十分気をつけて帰ること。そして、不審な人物がいたら直ぐに警察に通報しなさい。」


ちょっとまて。加害者は40から50歳男性?

どういうことだ?これはやつとは別件か?


ブーブー


するとポケットで携帯が鳴った。


『信用してくれる?三島君。』


例の人物からのメールだった。

ははっ。手下がいるのか。

こいつは本当に使えそうだな。


皆にバレぬよう笑みを浮かべ、このメール主と手を組むことに決めたのだった。


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久しぶりの投稿ですね。こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとすごくハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。

これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。



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